アント・グループに関する続報が入ってきました。
大枠で再編に合意した模様です。ただ、オフィシャルなプレスリリースではないので、経緯は見守る必要があります。
金融持株会社としての再編に合意、とのことです。当初、アント・フィナンシャルという会社名だったのを、アント・グループに改名してますから、金融機関ではなくテック企業ですよ、というのが同社のスタンスでした。当局としては、それはダメですよ、テックではなく金融カテゴリーですよ、と。
金融持株会社とは
✅金融持株会社としての認可には、資本金50億元が必要
✅総資産1,000億元以上(傘下に銀行を置く場合は5,000億元以上)が必要
どこかの国で暴動や蜂起が起きても放置してしまうのとは対照的に、中国ではフィンテックの規制強化に動いています。これは日本だけではなく世界中の国で解決しなければならない、新しい規制になります。真っ先に中国が動いているという状況は、非常に面白いですよね。
まず国内を整備しないことには、グローバル展開は無理です。デファクト・スタンダードを作ろうとしているのです。
必要なことを、必要なタイミングでやり切る。何かが起きてしまうことを放置せず、事前に手を打つ。 対処療法ではなく予防。そういう考え方、プロセスは好きです。
中国ほど、国家統一のために国内で争いあった国はありません。その歴史を糧にして、今の価値観・体制が出来ているのだと思います。だからアント・グループ(アリババ)に対する規制も必要なことだと理解します。
それに文句を言う人もいませんし、暴動を起こしたり一般人を扇動してBank of Chinaに押しかけたりはしません。IPOが延期になったことも仕方ないですが、誰かを貶めたいということではなく、前に進むために体制整備をしている。そこには、合理的な理由がある。
浦上さんの記事。
中国のローエンド市場は、人口分母が大きいだけに究極の薄利多売マーケットです。利益10円でも10億人にリーチすれば100億円の利益になります。そんな取りこぼしがまだまだ残っている中国。GAFAMと比較しても、まだまだアリババやテンセント、バイドゥは小さい企業です。
そんな中、Citigroupはアリババ株のプライスターゲットを引き上げ(316ドル→345ドル)。Raymond Jamesも同様に引き上げ(330ドル→350ドル)。
SMAがいい感じでクロスするのでしょうけど、オフィシャルなプレスリリース次第でしょうね。少しの間はグダグダが続きますが、ここは下げたら躊躇なく拾っていきます。