先日、Clubhouseを使うことに相当ネガティブな記事を書きました(笑)。
昨日、経営者仲間の友人の1人から「Clubhouseでビジネスのフックを企画しようとしてるんだけど、どう思う?」と聞かれたので、それにも完全なダメ出しをしたところです。
まずは前回の記事。
私が反対した理由
ビジネスという目的がハッキリしているのであれば、残念ながらClubhouseを選択する優先度は現在最低レベルです。友人の意見に反対した大きな理由は2つ。
1.アプローチ数が減る
2.ストックできない
この2つを見て「ピン」と来た方は、あと読まなくて結構です。本日もお付き合い頂き、ありがとうございました。
以降は、友人にも伝えたことを書くのですが、かなり辛口で書きますのでご容赦ください。別に遊びとか雑談レベル、仲間増やし、興味本位でClubhouseを使う方を批判しているわけではないので、その点だけご了承を。
1.アプローチ数が減る
ビジネスであれば、アプローチする分母は非常に重要。どうやって多くのアプローチを獲得するかに、日々知恵を絞っているわけですよね。であれば、Clubhouseは真っ先に落第です。箸にも棒にもかからない。
まず、アプローチ対象が全世界の場合。下記は、ワールドワイドで使用されているスマホのOSシェア(2021年1月時点)です。世界の7割強の人が、Androidを使ってます。iOSはマイナー。
つまり、Androidに対応していないClubhouseを選んだ時点で負け。アプローチ数の分母が最初から7割減ります。もしアプローチを稼ぐためにツールを選択しようとして、流行りのClubhouseを選んだ経営者がいたとしたら、「とんでもない凡人」か「超有名人」のどちらかでしょう。
後者は既にベースとなるファン層がいるので問題ないですが、たいして有名でもない人がフックのために使うのであれば、もう経営者を引退してください。おととい来やがれ、です。(本当にこう言いました)
いや、世界に向けたフックじゃないので、日本だけだから…という声もあるでしょう。日本のOSシェア(2021年1月時点)はこんな感じです。iPhone信者の多さよ…
それでも35%強を捨てることになります。大きいですよね。
別のツールなら1000人にアプローチ出来るのに、Clubhouseを選択することで640人に減ってしまう。ご自身の時間コストをよーく考えてみてください、と。同じ労力で、高コストのほうを選ぶのはどうして?と言いました。
2.ストックできない
ビジネスフックの資産(材料・コンテンツ)というものは、基本的にはストックしていくべきです。なぜなら、何度でも使い回しが効きますし、少し加工すれば別の切り口でもリユース出来るからです。
Clubhouseの致命的なところは、それが出来ないこと。
顧客獲得が目的だとすると、毎回毎回同じことを繰り返し伝えなければならない。そんなチャンネルに、人が集まり続けるとは思えません。逆に胡散臭くなる。繰り返さなくてもいい情報だとしても、ボイスチャンネルの良いところはストックしていって、そのどれかのコンテンツに視聴者が興味を示すことが出来れば、潜在顧客ということになります。好きな時間に好きなコンテンツを、視聴者が選べる余裕が出来るのです。
Clubhouseはそれが一切出来ない。検索さえ出来ない。
つまり、使い捨てカイロと一緒で、毎回温めなければならないのです。どれほど超絶痛快なトークを繰り広げられる人なのか分かりませんが、そうでもない限りビジネスフックで使うのはあり得ませんね。
収入には2種類あって、労働収入と権利収入があると良く言われますが、Clubhouseでのフックは超労働収入というか、収入にならない超奴隷ワークです(本当にこう言いました)。居酒屋の雑談レベルと割り切るなら良いとしても、コンテンツとして残せない以上は雑談の域を出ません。
Clubhouseでなければならない理由は?
決断という言葉を知る
私は基本的に、何でもやってみればいいと思うタイプです。やってみて分かることがあるからです。但し、自分の時間が有限である以上、ビジネスに限って言えば「やってみる」ことを厳選します。自分が20代であるならまだしも、もう40代。面白そうとか、みんなやってるとか、そういうどうでもいい理由でツールを選ぶことは絶対にありません。
そう、絶対に、です。
今まで自分でやってきたことなので、シビアなことを言ってるとは思ってないのですが、ついでに上から目線で書いてしまいますと、結果を出せない人(ほとんどの人)には、「やらないことを決める」ことが決定的に不足してます。
最初に「やる」ことを選択するからです。
必要のないこと、やらなくて良いことを決めて、やるべきことに集中する。それだけで人生変わりますよ。私は40歳でアルコールを卒業しましたが、それは「やらなくてもいいこと」を止めただけです。別になんとも思いません。止めた瞬間から大好きだったワインを飲みたいと思いませんでしたし、やるべきことがハッキリ見えているので苦しいとも思わない。
それが決断です。「決めて断つ」と書きます。断つんですよ。
何も断てないのに、大きなものを得ようとしても、得られません。両手が塞がっているからです。不要なことを絶ち、ストレスを絶ち、研ぎ澄ませていった先に、見えることがあります。超一流のアスリートがやっていることです。
何事も、「やる」ことは簡単です。でも「やめることを決める」「やらないことを決める」ことはほとんどの人がやりません。
そういうシビアな視線で自分の行動をコントロールしていれば、私に相談してきた方も自ずとClubhouseを選ぶことはないのです。多くの人が惑わされている間、それ以上に突き抜けることが出来ますよ。
こうやって書くことで、自分にまたプレッシャーをかける。良い環境です。流行っているものって、それに対して本音を言うのが嫌がられる風潮がありますよね。だから余計言わなくなったり。でも、こういうシビアな意見もあって良いと思います。
最後に、Clubhouseをけちょんけちょんにケジメ倒してしまいましたが、ビジネス上で使わないというだけであって、使っている人が悪いとは書いてません。
…これでバリュエーション(企業価値)が10兆円かぁ(笑)。自分がやってきたことと比較すると、アントレプレナーやめたくなります。今はミーハーなことをやって、バズらせたほうが、お金集まりますからね。社会的意義とか不要なのかも。
因みに、中国では禁止されるでしょうね。
本物の顧客視点って、顧客に対してデバイスの制限を最初から課してしまうことではなく(そもそも招待制というハードルがある)、どんなデバイスでもアクセス出来て、参加のハードルが低い状態を作ってあげることだと信じてます。