イーロン・マスク、さすがです。もちろん、賛否両論渦巻いているわけですが…私の中では感心しきりでした。やはり、同じアントレプレナー(…と言うのは失礼だと承知してます)として、「勘所」が凄い。
アントレプレナー的思考で、彼の「考えていること」を妄想してみました。イーロン・マスクの脳にブレインダイブです。
※この記事の数日後、イーロン・マスクはDogeCoinを売れ的な発言をしましたので、読む際にはご注意を。。。
イーロン・マスクの企みを暴いてみる
既に判明していることに、私の妄想を加えて書いてみます。
①15億ドル分のBTCを購入
②恐らくDogecoinに一部交換
③Twitterで投資を煽る(トランプ的扇動)
④投資家がDogecoinを購入
⑤投資家の仮想通貨資産が増える(流通量も増える)
⑥Dogecoinでテスラ(仮称モデルD)が買える
⑦テスラの業績が上がる
⑧業績は増えても無形資産が増える
⑨株価評価が難しい(でも上がる)
会計上の無形資産
まず、テスラ社として。保有する仮想通貨の上昇益は、無形資産のため会計上は計上が不要です。分かりやすくフィアット通貨はドル、仮想通貨をDogecoinとしてます。
つまり、会社としてDogecoin保有量が増えても、上昇時の益は計上が不要となり、仮に減価した場合は計上することが可能になります。これを狙ってイーロン・マスクが何をするかというと、2つ。
1つは、③です。BTC/Dogecoinの上昇を煽ること。投資家はその上昇トレンドに乗って、資産が増える。増えた資産で、「ほぼタダで」テスラ車が購入できる人も出てきます。そのためには、テスラ車をDogecoinで直接購入できるようにする。
プライシングで流通量を増やす
それが⑥です。
私なら下記のように「Dogecoinで買わないと損」というプライシングをします。名付けてモデルDです。
投資歴が浅く、Dogecoinの上昇に乗れないとしても、ドルをDogecoinに交換してから購入したほうが安くなります。Dogecoinの支払割合が多ければ多いほど、割引になる。そして顧客が支払ったDogecoinの上昇益については、前述の通りテスラ社は計上しなくて済むのです。
なのに、流通量は増える。つまり、価値の上昇が見込める。
民意を集めてしまったイーロン・マスク
テスラに対する異論はおいといて、アントレプレナーとして考えると物凄い戦略です。フィアットへの対抗、会計制度の穴を突き、民意を集める。集まった民意に対しては車という武器=製品で、還元する。
賢い。賢すぎる。
そして既に、TwitterでBTC/Dogecoinへの投資を扇動し、それに乗っかって資産を増やした人たちがいるという事実。車は売れる、Dogecoinは上がる、無形資産は増える、結果的に株価も上がる。ロケットブースターを2つ(株価、仮想通貨)手に入れ、株価がそれにも連動していくことを考えると、株主は仮想通貨を間接的に保有しているようなものです。
降りることのないロケットに点火したようなイメージです。
ただし問題はある
今までの価値観で判断すると、色々と問題点が指摘されているのも事実です。
✅上場会社のトップがSNSで特定の投資を扇動している
✅テスラが増資した資金でBTCを購入している
✅株、Dogecoin下落時のリスクは取らなくていい
Twitterではかなり露骨に煽ってきました。つぶやき1件に対し、数十万件のいいねがついてます。これはある程度大きな民意を獲得したことになります。
以前Redditの件で書いた通り、自由と人権と民主主義の国・アメリカでは、SNSでの言論を規制をすることが難しくなっています。RedditがOKなら、TwitterもOKだからです。投資家としては、Reddit銘柄、イーロン・マスク銘柄という、2つの投資マネージャーが民間に存在するという意味です。
議事堂占拠のような、人命に関わるもの以外については、規制がされません。
規制がないとすれば、テスラはEV界で圧倒的なシェアを取ることになります(中国以外)。
事業としてはこれで成功です。もし規制されるようなことがあれば、イーロン・マスク自らSNSを立ち上げあるかもしれません。
他社のEVメーカーも、もしかしたら特定のアルトコインを担ぐかもしれませんが…そうなると、世界的に規制が必要ではないか、という話に行き着きます。議論を呼ぶという意味で画期的であることは間違いありませんし、Dogecoinの動向にも要注目ですね。
しかし…これでまた一段と、テスラの株価の評価が難しい…というか、出来なくなりました。
偶然、BTCとテスラ株の時価総額が同じに。