今、安彦良和氏の漫画「虹色のトロツキー」を読んでいます。同氏は機動戦士ガンダムで有名ですが、虹色のトロツキーは歴史が好きではない人でも一読の価値があります。
テーマになっているのは、ずばり満州。3巻あたりからズズッと引き込まれます。
若い方と言わず、私の世代でも、「満州」と聞いても良く分からないことが多いのではないでしょうか。皆さんはどうでしょう?以前紹介したと思いますが、漫画「満州アヘンスクワッド」も舞台が満州です。
今、日本が見捨てた満州が再び注目を集めています。
正義の戦争は無い
私は以前、村上敏明さんの満州での壮絶な体験を知り、満州についてもっと知りたいと思いました。
リンク中の動画で村上さんが語っていますが、「正義の戦争は無い」という言葉の重みが、今だからこそ語り継いでいく必要がある気がするのです。戦争に良いも悪いもなく、戦争そのものがあってはならない。その舵取りを上手く出来る国って、「グレーゾーン」に生きる日本しかないと思ってます。
アメリカが狙う中国
破壊と再生で他国を貶めることで、No.1の地位を保とうとしているアメリカに、果たして日本はこれ以上迎合して良いのか疑問です。もちろん同盟国なので切ることはできません。
動画をご覧頂ければ(冒頭だけでも)、どれほどの米軍戦力が中国を狙っているか一発で分かります。
アメリカから遠く離れた国に対し、アメリカは一体何をしようとしているのでしょうか。日本人の中には、感情論的に中国=中国共産党という見方をして毛嫌いする人も多いと思いますが、実害を受けた日本人は一体どれくらいいるのでしょう。アメリカ人、然り。
中国の歴史を学ぶ時、なぜ強力な中央集権体制でないとダメなのか、そこを知ると見えてくるものがあります。アメリカは、アメリカのスタンダードを他国に押し付けるのではなく、中国が求めている対話を開始しなければなりません。成り立ちも制度も違うわけですから。でも、アメリカ正義が勝つハリウッド式統治においては、アメリカもそれが必要だと思ってやっているのです。
少し、このバランスが崩れてきています。
内戦の歴史
中国は紀元前から、そして第二次世界大戦後においても、内戦が繰り返された土地です。冒頭の「虹色のトロツキー」では、そのあたりの微妙な勢力バランスも描かれています。
あくまでも大局観ですが…中国が経済的・技術的にトップになることは間違いありません。アメリカが妨害した場合、逆にアメリカは自ら保ってきた利を失っていくでしょう。ベトナムで大失敗して以降、アメリカの陰謀がバレ続けてきてしまいました。
一方の中国は、内政干渉が最大の敵で、そこから国内不安が生じることを防ぐ必要があります。つまり、常に防御。アメリカを取り巻くようにミサイルを配備しているわけでもないので、対話でしか戦えません。
アメリカは歴史的に見て、どこかで戦争を起こす(起こさせる)必要が出てきます。かなり高い確率でそうなるでしょう。それが中国ではないにしても、中東なのか、分かりませんが…そういう感覚を覚えていた頃に、村上さんの動画と出会ったのです。
肌感覚
村上さんは、昭和10年前後の頃(1935年前後)に、いまが似てきていると。
こういう感覚知って、かなり大事だと思っています。
私たちは間違いなく実体験がないので、その時代にどういう背景で何が起きていたかを知っておく必要がある。それもあって、「虹色のトロツキー」を読み始めました。歴史上の人物が実名で登場したり、興味を持つには良いのかな、と。
楽しくないと途中で飽きてしまうので、そういう意味で漫画や村上さんの動画は貴重なフック(と言っては大変失礼なのですが)です。
南京事件に引き続き、凝り固まった頭を叩き割り次の扉を開く「謙虚なハンマー」がここにも。