今日は釈放されないジュリアン・アサンジ(Wikileaks)の件を少し。彼が暗殺されかけていたというスクープです。
まず下記は、Wikileaksが公開したコードネーム「Vault7」の概要です。
✅CIAのハッキング部門は、正式にはサイバーインテリジェンスセンター(CCI)に属しており、2016年末までに5000人以上の登録ユーザーを擁し、1000以上のハッキングシステム、トロイの木馬、ウイルスなどの「兵器化」されたマルウェアを生み出している。
✅このようなサイバー兵器が生み出される結果、それは数秒で世界中に拡散し、敵対する国家、サイバーマフィア、10代のハッカーなどが利用可能になる。
✅CCIは、バックドア、エクスプロイト、悪意のあるペイロード、トロイの木馬、ウイルスなど、CIAが世界中で行う秘密工作に使用するあらゆる種類のマルウェアの開発、テスト、運用サポートを担当。
極端に短く言えば、CIAは秘密工作のためにハッキング可能なマルウェアの開発を行ってきました。しかも膨大な量です。
サムスンのスマートテレビへの攻撃は、イギリスのMI5/BTSSと共同で開発。侵入後、Weeping Angelは対象となるテレビを「Fake-Off」モードにして、所有者がテレビの電源が入っているのに消えていると錯覚する。「Fake-Off」モードでは、テレビは盗聴器として動作し、部屋の中での会話を録音し、インターネット経由でCIAの秘密サーバーに送信。
これを敵国や同盟国の要人のみならず、一般人にも仕掛けてきたわけです。
2014年10月の時点でCIAは、現代の自動車やトラックが使用している車両制御システムへの感染も視野に入れていた。このような制御の目的は特定されていないが、CIAがほぼ検知不可能な暗殺を行うことが可能になる。
リモートで暗殺する手法についてもほのめかされてますが、実際に米国は2020年に、イランのソレイマニ司令官をドローン空爆によって暗殺しました。
Vault 7によって暴露されたCIAのハッキングによる民衆の監視行為が、次々に暴露されています。
✅また、CIAは、Microsoft Windowsのユーザーをマルウェアに感染させ、コントロールするという非常に充実した活動を行っている。これには、複数のローカルおよびリモートの兵器化された「ゼロデイ」、CD/DVDで配布されるソフトウェアに感染する「Hammer Drill」などのエアギャップ・ジャンピング・ウイルス、USBなどのリムーバブルメディア用の感染器、画像や秘密のディスク領域にデータを隠すシステム(「Brutal Kangaroo」)などが含まれ、マルウェアの感染を継続。
✅これらの感染活動の多くは、CIAのAutomated Implant Branch(AIB)がまとめて行っており、「Assassin」や「Medusa」など、CIAのマルウェアを自動で侵入・制御するための攻撃システムを複数開発。
✅インターネットのインフラやウェブサーバーに対する攻撃は、CIAのNetwork Devices Branch(NDB)が開発。
✅CIAは、EDBの「HIVE」や関連する「Cutthroat」「Swindle」ツールなど、Windows、Mac OS X、Solaris、Linuxなどをカバーする自動化されたマルチプラットフォームのマルウェア攻撃・制御システムを開発。
ここで引用は終わりますが、詳細はVault 7の原文をご覧ください。
米国政府は中国政府、中国製品による監視活動を批判してきました。ロシアに対しても同様です。しかしながら、その米国政府自身は、CIAを使って世界規模の監視活動を平然と行ってきたことが分かったわけです。このことはジュリアン・アサンジのみならず、スノーデンも暴露しているわけですが…それでもほとんどの日本人は米国のみを「正義」として盲信しています。
話を戻します。Wikileaksのジュリアン・アサンジに激怒したのが、言うまでもなくCIAです。なぜ激怒するのかと言いますと、国家機密をバラされたというのが表面的な理由ですが、米国がCIAを使って様々な犯罪を働いてきたことが図星だったからです。
もっとも激怒したのは、ポンペオです。2016年11月18日に当時のトランプ次期大統領がCIA長官に任命したのがポンペオでした。2017年には金正恩暗殺を計画し、その後も北朝鮮訪問を繰り返しましたが、結果的にポンペオのせいで北朝鮮が態度を硬化させてしまいました。
北朝鮮に見下されるほどの「価値のない人物」だったことが暴露されたポンペオですが、CIA長官としてジュリアン・アサンジの暗殺を計画したことを否定せず、認めました。
上記リンク内には、ポンペオの発言が動画で紹介されています。英語が分かる方はぜひ聴いてみてください。
この記事の中でも、北朝鮮に見下されたポンペオの人となりが事実込みで書かれています。これほど端的に表現された記事がないので、引用させて頂きます。
Mike Pompeo is a literal psychopath. He chuckles about lying, cheating and stealing with the CIA. He defends murderous sanctions and openly admits to using them to foment civil war in empire-targeted nations. He defends assassination. He strongly implied the U.S. would interfere in UK politics if Jeremy Corbyn became Prime Minister. And yet somehow he escaped the Trump administration the mass media so despised with nary a scratch of media criticism on him.
This is because Mike Pompeo, as full of centipedes and demon spawn as his enormous head may be, is highly representative of the mainstream U.S. power establishment. He is the embodiment of the empire’s values. He’s just one of its less-subtle representatives.
(翻訳)マイク・ポンペオは文字通りのサイコパスです。彼はCIAで嘘をつき、騙し、盗聴を働いていたことに対して含み笑いをしました。暗殺制裁を擁護し、帝国主義の標的となった国の内戦を煽るために制裁を利用したことを公然と認めている。暗殺も擁護しています。英国でジェレミー・コービン(その後、ハメられて党員資格停止)が首相になっていたとしたら、米国は英国の政治に干渉するだろうということ彼は強く示唆した。しかし、なぜか彼は、マスメディアがあれほど嫌っていたトランプ政権を、メディアの批判を一度も受けることなく逃れた。
それは、マイク・ポンペオが、その巨大な頭の中にムカデや悪魔の子孫が詰まっているように、米国の主流の権力体制を代表しているからである。彼は帝国主義の価値観を体現しているのである。彼は、そのあまり目立たない代表者の一人に過ぎない。
なんと素晴らしい人格。このような人物がCIAの長官を務め、国家中枢の国務長官を務めたのが米国です。敵であれば暗殺しても構わず、国際法に違反してても米国なら許されると信じ、他国がやっていると許さない監視活動を世界的に展開、挙句の果てに新疆ウイグル自治区のジェノサイドすら捏造してしまう人物像です。北朝鮮が交渉のテーブルから彼を除外して欲しいと米国に要求したのも頷けます。
改めて注意書きしておきますが、米国政府の本質に書いてきた記事も、米国人を批判するものではありません。米国人が選んだ米国政府なので、責任の一端は米国人にあるとしても、全ての米国人が悪いというわけではない。アングロサクソン同盟の戦争ビジネスは批判すべきですが、それらの国々(英・豪・加)の人々が直接的に悪いことをしているわけでもなんでもありません。
現に、それらの国々でも本質を突いた記事を書いている人がいます。その1人、前述の「Pompeo Effectively Admits To Assange Allegations」を書いたのがCaitlin Johnstoneで、彼女はオーストラリア出身の独立系ジャーナリストです。彼女の記事は鋭く、そして事実に基づいて書かれていますので、読む価値は大きいです。ちなみに、米国在住の米国人は7~8割が反中ですから、いかにメディアに洗脳されていることが分かる国でもあります。彼女が寄稿しているメディア「Consortium News」は1995年から続いていまして、Investigative Journalismがモットー。
つまり、調査に基づくジャーナリズムですね。捏造や陰謀論などではなく、こうした優秀な記事を日本語で配信してくれるメディアが日本で求められると思います。日本では右を見ても左を見ても、米国礼賛、台湾礼賛ばかり。米国民の思想も米国内の政治が悪化している中で右傾化しているのが気がかりです。