ZUUMA|直感投資と戯言

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投資|活性化するEV市場の裏で期待されるリサイクル企業とは

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今回はリチウムイオンのリサイクル企業について書いてみます。下記は前回のLICY(Li-Cycle)の記事です。

investmax.hatenablog.com

 

前回の記事を書いた時~現在までの、1か月間のLICYの株価推移です。

 

$11.68 → $12.94(+10.78%)

 

 

私は下げた時にポジションを取ってきたので、現在全てのポジション(4ポジション)で黒字です。最も安いところでは$10.7で買えました。この期間でプラスというのは、まぁまぁ良いと思います。多くの人がEV株に目が向いてるでしょうから、リチウムイオンのリサイクル企業も併せて持っておくのも良いと思います。

 

そのリチウム業界、リサイクル業界も、今やEV業界同様に群雄割拠です。

 

  • Umicore Group(Belgium)|+23.49%
  • American Manganese Inc.(Canada)|+39.66%
  • ACCUREC Recycling GmbH(Germany)|NA
  • Neometals Ltd(Australia)|+256.9%
  • Ganfeng Lithium Co. Ltd.(China)|+50.38%
  • RECUPYL S.A.S.(France)|NA
  • Retriev Technologies(Canada)|NA…丸紅と提携
  • Glencore Plc(Switzerland)|+48.84%
  • Redwood Materials (Canada)|NA…Fordと提携
  • Sumitomo Metal Mining Co.,Ltd.(Japan)|-4.59%
  • BATREC INDUSTRIE AG(Switzerland)|NA
  • American Zinc Recycling Corp(U.S.)|NA
  • Fortum(Finland)|+27.16%
  • Dowa Eco System(Japan)|NA
  • AkkuSer(Finland)|NA
  • San Lan Technologies Co.,Ltd.(China)|NA
  • Duesenfeld(Germany)|NA
  • Redux GmbH(Germany)|NA
  • Lithion Recycling Inc.(Canada)|NA

     

LICYはYTDでは+25.27%です(2021年10月30日現在)。日本企業が冴えないのは、日本におけるEVマーケットの規模や、世界的に見てEV開発そのものが立ち遅れてしまった影響がありますね。

 

 

✅主要セグメント

リチウムイオン電池リサイクル市場は、用途に応じて、自動車用と非自動車用の2つの主要セグメントに分類されます。

非自動車分野は、さらに産業、電力、海洋などのサブセグメントに分類されます。自動車は、世界のリチウムイオン電池市場の中で最大のセグメントです。これは、市場の成長を支えているEV産業の継続的な発展によるものです。環境問題や、クリーンで持続可能な燃料に対する意識の高まりから、電気自動車の需要が大幅に増加しています。

 

✅リサイクル対象

自動車用リチウムイオン電池のリサイクル市場では、電池の種類別では、リチウムニッケルマンガンコバルト(LI-NMC)セグメントが予測期間中にリードすると予測されています。

リチウム・ニッケル・マンガン・コバルトセグメントは、E-BIKEやその他の電動パワートレインなどのアプリケーションで主に使用されているため、2020年には市場で最大のシェアを占めました。Li-NMC電池のリサイクル市場は、電気自動車の販売が急激に増加していることから成長しています。また、欧州や北米などの地域では、使用済み電池の回収ネットワークが確立されていることも市場成長の要因となっています。

 

✅マーケット

予測期間中、北米地域がリチウムイオン電池のリサイクル市場をリードすると予測されます。

北米は2020年のリチウムイオン電池市場を支配し、2021-2030年の予測期間中もリードすると予測されています。米国は、北米地域の主要なリチウムイオン電池リサイクル市場の一つです。この地域は、テスラ、フォード・モーター、ゼネラル・モーターズなどの大手商用車メーカーが存在するため、電気自動車の革新、最先端の研究開発、技術進歩で知られています。これらの要因は、同地域のEV用バッテリー市場を牽引しており、予測期間中にEV用バッテリーのリサイクル市場も拡大すると予想されます。

 

✅市場規模

世界のリチウムイオン電池リサイクル市場は、2028年までCAGR 22%で成長すると予想されます。

 

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現状、やはり北米市場がメインですね。但し、前回の記事でも書いた通り、本丸は中国だと思っています。上場企業で現在投資可能な中国企業はGanfeng Lithium Co. Ltd.です。

 

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チャートは悪くないですね。私はチャートトレーダーではないのですが、需要を考えるとLong TermではBullishかと思います。EVのバッテリーリサイクルは、2030年前後に一気に需要が高まります。

 

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同社のWebサイトでGlobal Layoutを見ると、リサイクルだけではなくてマイニングスポットも所有している模様です。ということは、リチウムの供給も旨みがある。

 

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株を大量に買うタイミングは見極めたいと思います。私が迷っているのは、中国のEVメーカーがどういう提携を見せていくか、がまだ見えてないところです。NIOは潤沢な資金でNeoParkにCATLと共同でリサイクル企業を立ち上げそうな予感もしますし、もしくはどこかの企業を誘致して工場を建設するかもしれない。

 

ちなみに、Ganfeng Lithium社はリサイクル工場が江西省新余市にあり、NeoParkのある安徽省合肥市までは車で6時間ほど。中国での移動距離で考えれば、遠くないです。提携…あるのかなぁ。

 

余談ですが、米国は資源確保において同盟国云々のトークをし始めているので、この業界もブロック経済化して中国とは相容れない姿勢を続けると見ています。そうなると、中国は中国で国力強化のために既存企業の成長を促すのではないでしょうか。

 

jp.reuters.com

 

車体メーカーの動きで見ると、Fordが提携したRedwood Materialsはテスラの共同創業者であるJB氏が立ち上げた企業。ここまで分かりやすい構図だと良いのですが、Redwood Materialsは上場していないので株は買えないわけで。中国に力を入れるテスラがGanfeng Lithiumと…有り得る。

 

中国のEV企業が提携してから買うのは投資家としてはナンセンスなので、その前に買っておきたい気がするわけです。時代の潮流としてはGanfeng Lithiumが大きくコケることはないと思いますので、どこかでLICYを一部利確してGanfeng Lithiumに投資します。

 

ネガティブニュースではないのですが、ナトリウム電池の動向はウォッチしなければなりません。news.metal.com

(引用)Ganfeng Lithium Industry admitted that the company had not laid out the sodium battery business for the time being.
(翻訳)Ganfeng Lithium Industry社は、今のところナトリウム電池の事業をレイアウトしていないことを認めた。

 

 

ナトリウム電池がリチウム電池の牙城を一気に崩すことはないのですが、頭の片隅には置いておく必要があります。

toyokeizai.net

 

NIOの全個体電池も。

www.car-and-driver.jp

 

関連記事

www.nikkei.com

newswitch.jp

リチウムイオン電池の新しい循環型未来像達成への道筋米国

https://www.nedo.go.jp/content/100931974.pdf

 

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