今日はアリババのW11を。
中国のEC最大手アリババが、ビッグセールイベント「2021天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル」の流通総額を発表しました。その額、なんと5403億元(約9.6兆円)。
前年の4982億元(約7.9兆円)を上回る、過去最高額。
純粋に凄い数字です。
楽天の昨年の年商が確か1.5兆円くらいなので、W11の期間だけで楽天の何倍もの売上を叩き出したことになります…モンスター過ぎる。
ただ、SNSなどを見ていると、ネガティブ(投資的に)なことを言ってる方が若干いました(日本人)。まぁ、これは人それぞれ抱く感想が異なりますから、色んな意見があって良いと思います。
そもそも中国株そのものにネガティブな人が増えた年なので、仕方ないかもしれませんね。アリババも株価は年初来でもマイナス、このところの値動きも良くありません。
実際の業績と株価にギャップがありすぎて、「経営に問題がありそうな株価」に見えます。私はこのギャップのある銘柄が好きです。
競合というわけではないのですが、同じECを展開するAmazonの株価を見てみましょう。
BABA:現在US$166.8で、PE Ratioは20.60です。
AMZN:現在US$3,525.15で、PE Ratioは68.96です。
売上の規模も異なりますから、Amazonから見ればアリババなど赤子です。だからこそ、まだまだアリババには伸びしろがあると思っています。売上のほとんど90%以上が中国国内のアリババが、アジアでリーダーシップを握れる企業になれるかどうかが問われます。
真のグローバル企業に成長するには、やはり中国の国外に出ても恥ずかしくない企業であるべきですし、個人情報の悪用や不正取引などをやってしまえば、結果的に中国共産党政権の顔に泥を塗ることになります。
そのために、共産党結成100周年という周年イベンドの年に、習近平主席はハッキリと「中国はこうあるべき」という規制を次々と打ち出しています。日本では、「締め付け」という単語でしか報道されないため、実際には中国がどこを目指しているのかがあんまり見えていないと思います。
共同富裕はもちろんそうなのですが、もともとイデオロギーがそうなっているわけで、最近突然舵を切ったわけでもなく、理念としては前からあるもの。日本人には、次々と規制を敷いてデメリットをばらまいているようにしか見えないかもしれません。ただ、最終的には国民(消費者)を守るための施策が多いと感じますし、アジアでのリーダーシップを発揮するために恥ずかしくない国体であるべきだ、という模範を示しているようにも思えます。
日米が中国に対して引き続きちょっかいを出し続けると思いますが、それをやればやるほど、中国はリーダーたるべき姿を示していくことになります。米国も実は手打ちする局面をわざと作る国ですから(茶番は続けたとしても)、最終的に孤立するのは日本という図式になります。
…と、話はそれましたが、何を言いたいかというと、アリババの話です。
中国政府による「金満イジメ」としか映らない中国以外の国の人々にとっては、今回のW11の売上をアリババが公表するのを控える云々…という話が持ち上がっていましたが、これも間違いでした。アリババが中国政府と仲違いしたわけでもないですし、前から書いてきたようにコアコンピタンスが大きく揺らぐことは無かったのが、今回のW11で明確になりました。
事業をシフトチェンジしているHuaweiとは違います。
アリババが取り組んでいるエコシステム全体(from At A Glance)を見ても、そうそう真似できるものではありませんし、アリババのような企業はアジアでも稀です。
逆のこれだけ規制があって、罰金もあって、競合他社との駆け引きも出来なくなり、結果的に価格競争が激しくなったセグメントであったにも関わらず、売上を伸ばした背景=中国人はTMALLやTaobaoで買い物をするのが好きというのは、無視できません。
下記はVision2036、2 billion consumerという目標を掲げています。(実際には2020年合計3 billionを達成している…だからActive Userのことなのかな?)
というわけで、私は引き続きアリババのポテンシャルには長期で注目していきたいと思っています。下げたところでまた株を買いましたが、今後もタイミングを見て買います。
最後に、最近の主なPrice Targetを。
Barclays Starts:US$275
Truist Securities:US$260
Nomura:US$190
個人的にUS$230あたりまでは楽しめると思っています。
<2021年11月15日追記>
Investing.comが#BABAのBUY ALERTを出しました。私の記事でも見たのでしょうか。
※著者はアリババ株の保有者です。
※記事はポジショントークが含まれている可能性が高いためご注意ください。