ZUUMA|直感投資と戯言

直感投資家。チャートも見ますが時事ネタ等から直感で動くスタイルです。記事は話半分以下でお読みください。キングダムの考察はnoteで更新中。https://note.com/kazugaga

NIO|ARK InvestmentがNIO株を買わない理由

2021年が終わろうとしています。何らかのご縁で記事をご覧くださった方々に、大変感謝申し上げます。今年最後の記事となります。今夜はNIO株上げるのでお楽しみに。

 

さて、投資の記事では、主にNIOEarth2に関する記事を勝手気ままに書いてきました。

 

本題に入る前に、少しだけNIOの振り返りを。

 

NIOは2ドル台から購入している愛着のある企業です。今年の株価は冴えませんでしたが、これは膨大な(Xpengの4倍以上の)ショートポジションが溜まっているからです。人気銘柄であればあるほど、こういう時期があります。期待値が高く株価が高騰し、個人投資家が高値づかみしてしまったところもあるので尚更。

 

株の見通しですが、毎年3月は株価が低調です。以前も記事を書きましたが、1月~2月で調整、3月で確定売りなども出て下がるので、逆に仕込み月だったりもします。

investmax.hatenablog.com

 

2021年のNIO株に関しては、ショートポジションの多さでかなり下げています。30ドルを割っていますから、24~32ドルあたりは買いレンジと捉えることが出来ます。2022年2月~3月にショートポジションが剥がれると思いますので、上昇していくとすれば3月以降でしょうね。それでも、ATHを達成した時のような急激な上昇ではなく、じわじわ上げて行くほうが健全だと思います。機関のPrice Targetはポジショントークみたいなものなので参考程度にして、まずは45~50ドルを目指すのが2022年の目標かと思います。いずれ100ドルを超える銘柄です。記事として書いてきたのですが、米国による覇権工作が邪魔をしないことだけ祈っています。

 

中国関連株に投資している方は、米国がどのような動きをしているかを知っておきましょう。あれだけ「外交的ボイコット」を叫んだ米国政府は、政府関係者の中国への渡航ビザを既に15名申請しています。

www.globaltimes.cn

 

さらに40名以上のビザを申請する予定らしいので、米国の外交的ボイコットに付き合わされた日本政府は、「外交的ボイコット」という言葉は使いませんでしたが完全にハシゴを外された格好です。このように、米国政府はダブルスタンダードの塊です。投資家は冷静になり、米国のプロパガンダに左右されることなく、確かな目で投資判断をする必要があります。私は中国政府の肩を持ちたいわけではなく、あまりにもプロパガンダに流される投資家が多いため(機関投資家含め)、評価すべき企業というものはプロパガンダに関係なく投資評価されるべきだと考えているからです。NIOの活動と政治問題が何ら関係ないことは、過去の記事をご覧頂ければ明白です。米国政府がNIOをロングアームで規制する理由は無いはずです。

 

注意点としては、このような米国政府の姿を学んだとしても、投資の世界においては「正しいこと」が「儲かること」とは合致しないことです。決算書を読み込んでも投資で成功する人が少ないのと一緒です。これが「正」であるなら、会計士は全員投資家として大成することになります。

 

さて、話は逸れましたが、NIOは長期保有銘柄としてお勧めです。BaaS(Battery As A Service)に関しては、ユーザーにとってもNIOにとっても素晴らしい選択肢の1つです。※NIOがBaaSしか提供していないと思っている方もいるのですが、普通にPlug & Chargeも可能なので誤解のないように書いておきます。

 

下記はテスラModel Sのオーナーが、バッテリー交換に260万円かかることを知って車体を爆破したという記事。

japanese.engadget.com

 

一般的に、EVバッテリーの耐用年数はおよそ5年と言われています。初期のテスラModel Sのバッテリー交換保証は8年間。EVの車体は、部品が減ったこととソフトウェア制御にしたことで、車体の故障自体はガソリン車より減るはずです。ということは、長く乗る人も増える。長く乗る人が増えれば増えるほど、バッテリー交換の需要が増える。結果、ユーザーは長く乗るほどバッテリー交換費用を負担しなければならなくなるのです。

 

この点については各企業の思惑もありますし、将来的なバッテリーの進化も当然あるわけですが、現時点でNIOのBaaSがいかにユーザー思いなのかが分かってくるはずです。

 

以前、このBaaSのメリットについても記事を書きました。

investmax.hatenablog.com

 

BaaS対応のNIO車両は、車両価値維持率が高くなります。そうなると、BaaS対応のNIOの中古車価格は他のEVよりも下がらないかもしれません。これはNIOにとってデメリットではなく、セカンダリーマーケットでもユーザーを惹きつける要素となり得ます。個人的には、このマーケットをUXINが手掛けるのかな、と妄想しているのですが…ほとんど情報も無いため株価も上がりません(涙)。

 

UXINに関しては、ここからどう復活するかですね。あまり期待せずに保有してます。販売台数は増加傾向、Revenueも増えてます(2020年:RMB138,593→2021年:RMB623,731)。

www.tradeideashq.com

 

そろそろ本題に入りましょう。

 

「なぜARK InvestmentがNIO株を買わないのか」を疑問に思う方が多く、質問も頂きます。ARKは現在Xpengを買い続けてますが、NIOは買ってません。

 

これについては、まずはARK CEOのCathie Woodが以前言っていたことを記載しておきます(すみません、実はSourceを探したのですが見当たりません。Cathie WoodのLive StreamingかARK Reportで言ってたと思います)。

 

✅Government(安徽省)からの融資が多額であること
✅BaaSに懐疑的

 

この2点から、NIO株は買わない、と。

 

故にテスラ株を保有し続けてきた中でNIO株は買ってませんでしたし、Xpeng株を買ってもNIO株は買わないという現状があると予想します。これは恐らく、$10未満でNIOに投資した人でも知らない人が多いのではないでしょうか。ただ、Xpengに関してはNIOのように行政からの直接融資ではありませんが、広州市政府傘下の投資会社から40億元の融資を受けています。中国では良くある融資(+招致)の形なのですが、もしかしたらARKは現在別の理由でNIOへの投資をしていない可能性も考えられます。

 

私はズバリ、ショートポジションの多さにあると思います。NIOのショートはXpengの約4倍もあります。

 

BaaSの有効性は前述の通りですし(Plug & Chargeも出来る)、融資に関してはXpengも地方政府が関わっているわけで、だとしたら投資に適さない環境=ショートポジションがその理由かな、と想像しています。

 

投資会社が投資スタンスや投資戦略を変えることはおかしなことではありません。ARKとしてはテスラ株を売っていく段階で、「次に狙うEV株」「二匹目のドジョウ」を見定めてきたはず。その中で、結果的にXpengを投資対象にしたのでしょう。これもいずれ分かると思います。

 

…と、これまた妄想してみたわけですが、機関にしても個人にしても、何に投資するかは自由なわけで。個人的には、別にARKが投資しようがしまいが、あんまり気にしません。ARKが投資すれば成功するというわけでもないので。

 

最後に、NIOとXpengの機関投資家ホルダーのリストを。

 

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下記はご参照まで。NIO株を買いたくなってしまうため、閲覧にはご注意を。

https://seekingalpha.com/article/4477181-lucid-vs-nio-stock-better-buy

 

あとがき(2021.12.31 8:13)

今日の上昇(+14.76%)はショート・スクイーズではないと思います。

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今まで上昇していた株の利確→割安株への買付があっただけです。十分下げたNIOがEV他社より上昇したのは、下げが大きかったからです。ショートが剥がれたら5日連続上げとか普通にあるはずなので、1日の上昇だけでは判断しません。また下げて揉み合うと思いますが、来年はそこを抜けます。

 

あとがき(2022.04.02)

ARKのAnalystの記事を見つけたので、追記しておきます。

ark-invest.com

The Chinese Government has announced an EV subsidy for vehicles priced at $45,700 or less for all manufacturers except those offering battery swapping. Electric vehicles incorporating battery swapping will be exempt from the price limit. This policy favors domestic battery-swapping EV manufacturers like NIO as opposed to Tesla which avoided that strategy.

Unsurprisingly, the government is favoring a local Chinese manufacturer, but could this move also suggest that NIO needs help? In our view, such government support could impair NIO’s global ambitions in the long term.

ARK’s research suggests that, with or without subsidies, the economics associated with battery swapping will result in design constraints and shortened battery lives. Encouraging these sub-optimal results, the Chinese Government could limit NIO’s success globally, even more so if the company relies on subsidies instead of aggressive investments in innovation to deliver competitively priced vehicles.

(翻訳)中国政府は、バッテリー交換を提供しているメーカーを除くすべてのメーカーに対して、価格が45,700ドル以下の車両に対するEV補助金を発表しました。バッテリー交換を組み込んだ電気自動車は、価格制限が免除されます。この方針は、その戦略を回避したテスラとは対照的に、NIOのような国内のバッテリー交換EVメーカーを支持しています。

当然のことながら、政府は地元の中国メーカーを支持していますが、この動きはNIOが支援を必要としていることも示唆しているのでしょうか。私たちの見解では、そのような政府の支援は、長期的にはNIOの世界的な野心を損なう可能性があります。

ARKの調査によると、補助金の有無にかかわらず、バッテリーの交換に関連する経済性により、設計上の制約が生じ、バッテリーの寿命が短くなります。これらの結果を結果的に奨励することで、中国政府はNIOの成功を世界的に制限する可能性があります。そのため、企業が競争力のある価格の車両を提供するためにイノベーションへの積極的な投資ではなく補助金に依存している場合はなおさらです。

 

記事の本文で書いたBaaSに懐疑的、という理由がここに示されています。 

 

 

 

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