EUがエネルギー危機に瀕しています。この件に関しても、米国が「ロシアによる市場操作」という印象をメディアを通じて植え付けようとしていますが、ロシアは市場操作などしておらず、スタンスは正しいものです。
米エネルギー長官などが、「ロシアの市場操作が天然ガス価格急騰の原因」と非難したが、露プーチン大統領は「ロシアは長契を全て履行している。スポット契約に切り替えたのは欧州の需要家だ。市場価格であれば、いつでも出荷する」と反論している。
ロシアは契約を履行しています。
このように米国がロシアを口撃する理由は、ロシアを困らせて、EUに米国のガスを買わせたいからです。実際にドイツに購入を迫っています。但し、米国のガスはロシアのガスより40%以上も価格が高いと言われ、EUが米国からガスを買うことは現実的ではありません。
現状、ロシアはEUのガスの約35%を供給しています。米国がいたずらにウクライナ危機を煽れば煽るほど、苦しむのはEUです。米国がロシアに対して制裁を課したり、また、ロシアが態度を硬化させてEUへのガス供給を絞ったとしたら、EUにおけるエネルギー価格はまた急騰し、人々が困窮するという悪循環に陥ります。
困ったEUは「原子力と天然ガスをクリーンエネルギーとして再定義」するようです。
投資家としては、天然ガス価格の高騰を可能性として頭に入れておきたいところです。もし米国がロシアに対して制裁を課すようであれば、理由は何にせよ、昨年の高騰を超える高騰になる可能性が高いです。
原油価格も上昇していますので、本来EU首脳やNATO加盟国は、米国による戦争扇動を止めなければなりません。米国が暴走しているのは明らかで、プーチンは冷静に対応しています。精神的に優位なのはロシアでしょう。
トルコのエルドアン大統領がバイデンを批判したのは、最適解を導き出せずに制裁や戦争を「第一」に考える米国政府の体質そのものだと思います。強い言葉で批判しています。
一方、ウクライナはまだNATOに加盟していません。安全保障条約も締結していないので、現時点で米国がウクライナに派兵するのは問題です。ウクライナのゼレンスキー大統領も、米国がいたずらにロシアによる侵攻を煽るのは一利なしと非難しています。
ウクライナの通貨フリヴニャは、米国が大使館からの人員撤退など必要以上に危機を煽り世界に恐怖を世界に与えたせいで、通貨安に陥り経済的に打撃を受けています。
ウクライナがNATOに加盟した場合、本当にウクライナの人々は幸せになるのでしょうか。NATOがウクライナのロシア国境に進駐し、ロシアとの冷戦が継続するようであれば、ウクライナの安全保障と経済は回復しないかもしれません。
どう考えても、米国(NATO)がやっていることは多くの不幸を招きます。
私はそれを冷静に観察し投資に活用するだけなのですが、原油価格の高騰は対岸の火事ではないことも記載しておきたいと思います。日本でも、このような経済とリンクした誠実な報道がされることを祈ります。
※本当にSDGsやカーボンニュートラルを目指すなら、全世界に展開する米軍基地を廃止すべきです。日本にも130もの基地があり、もはや意味をなしていません。米国ではついにCovid-19の合計死者数が90万人を超えました。今年上半期で、100万人に到達するでしょう。