本題に入る前に
今日は先に三菱商事のお話を。
三菱商事が、ボッシュと北汽藍谷智慧(北京)能源科技の2社と提携し、電池サービス事業を共同で開発することになったようです。
<ポイント>
①ボッシュが開発したバッテリー・イン・ザ・クラウドを利用して、EV の維持費用を下げる新しいサービスモデルを構築
②電池交換式事業に取組んでいる北京汽車グループ傘下の Blue Park Smart Energy Technology 社と協業し、バッテリー・イン・ザ・クラウドを利用した商用車向けサービスの実証
③商用EVの維持費低減を検証し、電池リースや電池のサブスクなどの新しい金融サービスやEV運営の効率化に繋がる商品を開発
このニュース、既視感があったのですが…多分これです。
三菱商事が狙うマーケット
三菱商事はリチウム事業に取り組んできたので、リチウムのリサイクルに繋げていくと思います。提携するなら我らがNIOじゃないのか!と言いたくなるNIO Familyの方もいると思いますが、③でNIOは既にBaaSモデルを確立してますからね。そういう意味で三菱商事がNIOと提携する妙味は少ないですし、NIOとしても今更…という感じでしょう。
私はNIOが日本市場に参入する際、シェルと商社が鍵を握っていると思っているのですが…この流れで行けば三菱商事は三菱自動車という同じ三菱ブランドもありますし、提携はないでしょうね。
ただこれはNIOにとって悪いニュースでもなくて、バッテリースワップがユーザーにとっても事業者にとってもメリットがあるということに日本の商社が気づいたわけです。しかも中国で実証実験を行うことで、バッテリースワップがより注目を集めることになります。日本でもバッテリースワップをね、ぜひに…
NIOの中古車に対する考え方
また、この考え方は中古EVの販売促進にも繋がっていくと思います。これは以前、記事を書きました。
BaaS対応のNIO車両は、車両価値維持率が高くなります。そうなると、BaaS対応のNIOの中古車価格は他のEVよりも下がらないかもしれません。これはNIOにとってデメリットではなく、セカンダリーマーケットでもユーザーを惹きつける要素となり得ます。
実はこれ、今日裏が取れました…恐るべき妄想力。
その前にこのトピックを。NIOがUXINに投資しているのはそこそこ知られていますが、さらに昨年は「車小多」のリードインベスターになったことも報じられました。
「豊富な選択肢」、「実際の車の状態」、「価格の透明性」により、消費者が中古車を購入する際の3つの主要な問題点を効果的に解決する、とのこと。三菱商事がやろうとしていることを、NIOは既に着手済みですよ、と。いや、三菱商事にも頑張って欲しいんです(上から目線、失礼しました)。
NIOは従来から、自社が決めた厳格なメンテナンス基準に基づいて整備された中古車を、「NIO Certified Car」として消費者に提供すると明言してきました。
EV中古車の「今」を覗いてみる
では、実際に中国での中古車販売状況を覗いてみましょうか。
例えばES6(2020年製・420km)は、新車価格が約650万円~です。前述の「車小多」のアプリでES6の中古車を検索してみると…なんと約678万円!!高っ!!BlueSky Comingしてます。
ほとんど距離を乗ってないというのもありますが、NIOのEVは中古車市場でも品薄のようで、逆にプレミアムが乗っかってるような状況にも見えます。これ以外にも、589万円、616万円、630万円…とほとんど減価してませんでした。一番高いのは705万円。
それにしても、ほとんど減価しない中古EVを初めて見ました。ちょっと衝撃。NIOはセカンダリーマーケットにおいても、新車に近い価値を提供出来るということなのでしょうか。
ちなみにXpengのG3 520iは新車価格が約296万円、中古車価格が約194万円でした。まぁ…普通だと思います。
市場に在庫が多ければ多いほど、入手しやすければしやすいほど、価格は減価していくと思います。また、競合車種が多ければ多いほど、減価します。これは不動産と同じで、「どれだけ付加価値があるのか」はセカンダリーマーケットでは重要ですね。
また、カナダの国境封鎖やロシア・ウクライナ問題の影響で、さらにサプライチェーンが悪化する…と言われてます。それで株価も下げてるはずなのですが、中古車の価格状況を見るとそれがなんとなく分かるような気もします。
余談その1、米国やNATOが紛争を起こす火種を作らなければ、もっとカーボン・ニュートラルが進むんですよ。内政干渉するのって、結局オイルマネーも絡んでるってことで。
余談その2、ランクルプラドなんか、600万円で購入して海外に飛ばせば3,000万円くらいで売れましたからね。税金取られてもまたプラド買えるくらいは儲かったわけです。(ちなみに私はやってません)
中国政府は、2025年までに自動車販売台数に占める新エネルギー車の比率を20%に引き上げることを目標にしてますが、このセカンダリーマーケットを入れれば25%の達成も見えてくると思っています。
最後に、Alan Walkerでもお聴きください。良い週末を。
※筆者はNIO Stock Holderです。NIO贔屓の記事の可能性があります。
※投資判断についての責任は一切負いませんのでご理解ください。