鳥貴族が「やきとり大吉」を買収するそうですね。
大吉はサントリーの子会社です。売上高は5.4億万円、営業利益1億円弱 、全国で500店超展開のフランチャイズ形態。こんなに店舗があるのに、実は私、今まで一度も大吉に行ったことがありません。店舗数は、はま寿司より多い。
大学生の頃、よく通っていた学生御用達のレストランがあり、その近くに大吉がありました。入学当時、大学で同じクラスだった「ジョン」というニックネームの日本人と、「今度、大吉行こうや」と話していたのを今でも良く思い出します。その後、ジョンとはなぜか疎遠になってしまい(確か留年か休学をしたはずです)、結局、大吉には一度も行くことなく今に至ります。ジョンはどこで何をしているのでしょうか。大吉を見るたび、大学時代を過ごしたあの街と小倉隆史のような風貌のジョンを思い出すのです。そしてなぜ「ジョン」だったのか、気になったまま20年超が経ちました。
予想だにしない今の立ち位置
最近めっきりSNSから遠ざかってます。書いてきた通り、今年は株高に期待できない年というのもあります。また、実証事業も佳境で、マネタイズフェーズに移行するための事業計画作りに汗を流していたというのもあります。
控えめに言って100億円を目指すべき事業なのですが(オールジャパンのテクノロジーの結集なので当然)、どこかの企業のCEOと同様、発表する未来の数字はコンサバにしておきたいんですよね。もちろん目指すところは高いのですが、それをそのまま言うのはどうかな、と思っています。
これをベースの数字として、アップサイドの施策も考えつつ、様々な外部要因を絡めたダウンサイドも頭に入れておく。経営的にはダウンサイドでもやっていける体制でなければならない。
そんなことを考えながら、「大学生の時って、今の自分を絶対に想像できないよな」とふと思ったりもします。自分が専攻したものとは異なることを仕事にしてますし、大学模試で数学が「5点(100点満点)」だったのに、事業投資や金融投資をしていますから。絶対に数字に関わりたくないと思っていました。ジョンがなぜジョンだったのかという謎と同様、「今の自分がなぜこうなったのか」も至極謎です。謎過ぎる。
経営者の気持ち
そんなアホのような学生時代を経てサラリーマンも8年経験しているので、雇われる側の気持ちも理解していますが、経営者とサラリーマンの決定的な違いは「感情を排除しているかどうか」ではないでしょうか。
雇われていると、「仕事つらい」とか「残業しんどい」とか「あいつむかつく」とか「給料安いわ~」みたいな話が多いじゃないですか。Facebookでそういうのを見ると気が滅入ってしまいます。はっきり言って、その仕事を選んだのは自分なのですよ。嫌ならやめればいいだけで、ダメな理由を外に見つけても何もならない。
経営する側は、好きとか嫌いとか言っている場合ではなくて、なんとかして社会に貢献してその対価としての収益を得るにはどうしたらいいかを、本当に休みなく考えていたりします。もちろん、そうではない方もいるのですが(笑)、株を購入する時や応援している企業の業績を見る時に、「この会社のトップはこう考えているのかな」とか「今の環境だとこう思っていても言わないのが賢明だよな」と経営の立場で考える訓練にもなっています。一般の投資家は表に出てきている情報しか目にしませんが、その情報の裏でどういうことを準備して何を構築してきたのかを、知りたくなります。
それが投資に活きたりするので、事業投資を将来したい方や応援する企業の深読みをしたい方は、一度経営者になってみましょう。お金はかかりません。
無限の解釈
何が言いたいかというと、誰にも未来は分からないのです。
だから株価を予想するなんてことは、面白いかもしれませんが当たりもするし外れもします。チャート・トレードをする人も多いのですが、あれも過去の経験則や人の思惑が多分に入るものなので、占いと変わりません(占いも一種の統計学)。
いつの時代も、「1つの事実、無限の解釈」という真実があるだけです。
表面的な事象に対して、解釈は無限です。
これはネガティブな意味で言っているわけではありません。至極ポジティブです。自分が書いていることも、当たっていることもあれば間違っていることもある。自分の思考然り。その解釈に基づいて人は生きているわけで、だったら楽しい解釈をしたほうがいいと思っています。
「なぜ自分は愚痴を言っているのだろう」と考えると、愚痴を言いながら冷静に自分を客観視できますよね。投資も一緒で、「なぜ自分は儲けたのか」「なぜ自分は損したのか」を考える時、外ではなく自分の中に問いかけていくようにする。
この繰り返しの中で、人は内面的にかなり成長すると信じています。そして私の場合、「なぜあの時ジョンと大吉に行かなかったのだろう」という取り返しのつかない後悔に、大吉を見るたび悩まされるのです(笑)。