ZUUMA|直感投資と戯言

直感投資家。チャートも見ますが時事ネタ等から直感で動くスタイルです。記事は話半分以下でお読みください。キングダムの考察はnoteで更新中。https://note.com/kazugaga

コラム|民主的度合いに関するグローバル世論調査

民主主義って一体何なのか。

 

40歳を過ぎて、政府やメディアが「民主主義」を連呼しているのを見聞きするにつけて、そんな疑問が沸かない日本人は多分いないと思います。

 

「~主義」って、そもそも都合のいい言葉です。また、その言葉を使うことで価値観や行動をがんじがらめに縛ってしまう言葉です。例えば社会主義国であっても、民主主義的なことをすることはありますし、逆も然りなわけで、だったら民主主義の定義自体が意味のないもの。なぜ人種の違いや性別の違いは糾弾して平等って言うのに、イデオロギーの違いは誰も糾弾しないのでしょう。

 

そういう矛盾から、ジェンダーとか平等とか叫んでる人は個人的に全く信用してませんし(差別を助長しているわけではない)、SDGsも一緒。やってる人は昔からやってますから。誰かに言われなくてもやってます。あえて言う必要ある?と思っています。

 

前置きが長くなりましたが、民主的であることの意味を考える上で、各国の人々がどう考えているのかが分かるレポートが出ています。皆さんは、どの国が「最も民主的」だと考えているか想像つきますか?

 

Democracy Perception Index

今回ご紹介するのは、Democracy Perception Index Report 2022です。原文PDFが読みたい方は、こちらからリクエストして取り寄せましょう。

 

ここから抜粋して説明してみます。

 

ズバリ、下記の画像は「自分の国が民主的だと思う」という世論調査に対して、民主的だと思う(緑色)民主的だと思わない(赤色)をマップに示したもの。

 

 

ちなみにこの世論調査は、NATOの「Alliance of Democracies」が53か国で実施したもの。民主主義陣営が行ったわけです。その結果は…

 

最も民主的な国は…

 

「自分の国が民主主義だと思う」と回答した割合

1位:中国 83%

2位:ベトナム 77%

3位、4位:フィリピン、台湾 75%

5位、6位:ノルウェー、スイス 74%

7位:ウクライナ 73%

8位、9位:デンマーク、インド 70%

10位:スウェーデン 69%

 

最も「自国が民主的」だと思っているのが、中国人でした。

 

日本でテレビばかり見ている人は「中国は締め付けガー」とか「中国は監視社会ガー」とか「少数民族弾圧ガー」と思っているはずですが、中国人が感じているのは真逆。日本のメディアがどれだけ情報操作・印象操作しているか分かるというものです。

 

そもそも現地に行ったこともない人が評論家ぶってテレビであることないこと言うのが日本メディアなので、一度住んでみたらいいのに、と思います。まぁ、民主主義陣営がまとめたこのレポートに文句を言う人はいないと思いますが(笑)。

 

56か国平均が56%なのですが、この平均値を下回ったのが民主主義国家・米国です。米国は40位(41位と同率)で、民主主義だと思う人が49%しかいません。米国人は、政府が民主主義と叫べば叫ぶほど、自国が民主的ではないと考えているようです。

 

中国が1位で、米国が40位。

 

やはり、民主主義なんていう言葉はどうでもいいと思います。米国とその同盟国がいつも使う政治的ツールに過ぎません。制裁を課したいから、戦争をしたいから、他国を貶めたいから、そんな理由で使われる民主主義。

 

実際、「米国の民主主義」がネガティブ=悪影響だと感じている国(赤)が、増えているようです。

 

 

Covid-19対応で見えた満足度

また、日本では「中国政府のゼロコロナ政策により、中国人は抑圧されている」というメディアの情報操作がされてきたことも、今回の世論調査によって明らかになっています。

 

下記の通り、Covid-19に対する政府の対応に満足していると答えた中で、中国はトップの94%でした。

 

 

果たして、日本のメディアは一体何を報道しているのでしょうか。日本の満足度より遥かに高い満足度です。政府の対応に対して不満に思う人はどの国にもいるとは思いますが、その数の比率が日本より圧倒的に低いのが中国。

 

この件に関する全体の満足度平均は68%で、民主主義国家・米国の満足度はそれを下回る57%でした。総感染者数9,823万人、総死者数106万人、それが米国です。満足するわけがありません。人口3.3億人の国ですから、3~4人に1人が感染したということになります。民主主義って、国民の命を守る国のことではなかったのでしょうか。

 

Covid-19の感染拡大から現在までのスパンでチャートを見ても、人口100万人あたりの死者数が多いのは「自称・民主主義国家」ばかりでした。

 


この件に関しては、イェール大学・成田悠輔助教授も「民主主義国と言われる国の民主主義がデータ上では上手く機能していない」と語っていました。

 

まとめ

このレポートから明確に分かることは、民主主義国家が口にする「民主主義に対する脅威」というものは、実は外の世界には存在せず、自国の問題であるということになります。多くの民主主義国家の自国民が、民主的な国家ではないと考えているのです。

 

例えば、米国や日本が中国に対して「民主主義に対する脅威だ」とか「人権侵害の国」だと批判するのは必ずしも正しいとは言えない。なぜなら、中国人のほうがより多く「国民が民主主義的だ」と考えているからです。政府に好意的だからです。

 

民主主義国家は、民主主義という言葉をツールにするのはやめましょう。お恥ずかしい。政府と国民の認識の差が広がるばかりです。