あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。
私事ですが昨年下半期以降、スタートアップに関して色々と動くことが増えてしまい、投資に専念する時間が少なくなってます。今月はVCとの面談がビッチリで入ってまして、お尻を叩かれている気分です。
このスタートアップで「世界初のAI」を世に出す準備をしているのですが、そのうちニュースでも取り上げられるのかなぁと思いつつ、そろそろ影武者を用意しておこうと考えている次第です。誰かドM体質の影武者がいましたらご紹介ください。
冗談はさておき、岸田内閣で唯一褒めていいのが2024年にスタートが予定されている新NISAです。まぁ…株式マーケットなど虚構の世界ですが、それを言ってしまうとお仕舞いなので、少し真面目に書いておきたいと思います。というか、書いておかなければならないことがあります。
年複利シミュレーション
断言しておきますが、積立投資シミュレーションで良く使われている「年複利」をちゃんと理解している人はおそらく1%くらいしかいないです。
金融庁も積み立てのシミュレーションサイトを公開しています。
保険会社等の金融機関もシミュレーションサイトを公開したりしてますが、本当に金融のプロであれば、この年複利のシミュレーションがいかに怖いかを知っているはずです。私はPB時代からずっと言ってきたのですが、残念ながら影響力が低過ぎて誰にも伝わっていません。
何がダメなのかは後述しますが、新NISAを活用すべきか否かで言えば、「絶対に活用したほうがいい」というのが私の意見です。
積立投資の有効性
まず、積立投資の有効性については改めて確認しておきましょう。
上記の通り、一括投資では負ける銘柄においても、積立投資の場合には勝てるということ。これが最大のメリットです。同じ資金を投下するのであれば、積立のほうがリスク少ないというのが分かるでしょう。たった24か月のシミュレーションですが、スタート時より終了時の株価が低くなったのに、積立投資では利益が出せるのです。株価が下がっても、少し戻ればいい、というのが積立投資です。そこで利確もできるわけです。
ここが分からない方は、誰かに教えてもらってください(笑)。
新NISAとは
少しまとめてみました。
枠が拡大したことと、期間が無期限になったことが大きいですね。画像に記載した通り、枠を空ければまた再投資が可能なので、大きく増やしたい人は積立と一括のINとOUTを積極的に使っていく戦略を持ちたいところ。
コンサバがいい方は、今までと同様にインデックスでしょうね。インデックスは10年続ければある程度増えます。
下記は私の現行つみたてNISA運用状況です。インデックス(eMAXIS 先進国株式インデックス)でほったらかし状態で、コロナが始まる前の2019年7月にスタートしてます。
その期間のS&P500のチャートです。
3年5か月ほったらかしで25%プラスなので、まぁまぁ良いのではないでしょうか。貯金しているよりは間違いなく良いと言えます。ちなみに前述した金融庁のシミュレーターで4年間 x 年5%の複利計算をしてみると、トータルで+10.42%でした。現状、それを上回っているということですね。運用している全員がこうなっていれば、御の字です。
シミュレーションが怖い理由
私の場合、もともと海外で米ドル建の積立(S&P500)を10年以上やってきました。そろそろマーケットがクラッシュすると判断していたので2021年7月に解約しました。チャートを見ると、今より高値だったことが分かります。正解だったと思います。積立は出口が非常に重要。というか、最も重要。
ただ、その積立は利益に課税されるので(納税済み)、解約を見越してスタートさせたのがつみたてNISAでした。これもタイミング的には前述の通り良かったと思っています。
これから積立投資を開始する人は、現行NISAも新NISAも両方活用したほうがいいと思っています。その際に、金融庁のウェブサイトでシミュレーションをする人もいると思いますが、このシミュレーションは参考程度にしてください。シミュレーションの計算のベースになっている条件が非常に怖いからです。
下図は、私がスプレッドシートで計算した「年複利」のシミュレーションです。
毎月5万円を積み立てていき、年5%の複利で運用していく、というもの。例えば1年目は60万円の積立元金の利益が5%になるので、12月に利確して1年目の資産合計は63万円になります。
問題① 毎年12月に+5%で離隔する
問題② 翌1月は利確分の再投資=一括投資になる
問題は、この63万円の利確した原資を、翌年の1月に再投資するという計算が「年複利」の考え方のベースにあります。そうしないと年複利になりません。つまり、毎年1月は積立というよりは一括投資に近い投資スタイルになります。この再投資時にジャンピングキャッチ(高値掴み)したら大変なことになるわけですが、ほったらかしの場合には実際には利確するという行為をしないので、ずっとそのまま積立が続くだけです。また、12月に必ず5%増えてなければならないことも前提になります。ちょっとあり得ませんよね。
この「利確」がベースになっている年複利の考え方を実践しようとする人はほとんどいないとは思いますが、シミュレーションと実態は違うということは頭に入れておいたほうが良いです。シミュレーションよりも運用成績が上回っていけば問題ありませんが、シミュレーションを信じて捕らぬ狸の皮算用をし過ぎないように、ということです。
何に投資すべきか
ここがポイントになりそうです。普通に考えれば、インデックスでコンサバ積立運用しつつ、ある程度増えたら利確→クラッシュ時に再投資戦略がいいと考えられます。
米国株は現在ベア中かと思いますが、私は本当の大クラッシュはまだ来ていないと見ています。それくらい、米国が隠していることが大き過ぎて、投資家のセンチメントに与えるであろう影響が計り知れません。ここでは割愛しますが、楽観視できるセンチメントがやってきたとしても、そのあとが更に怖くなるだけです。
積立はクラッシュに強いので、クラッシュしたとしても焦って解約する必要はなく、新たにスタートする機会でもあります。一括投資と同様、投資のセオリー「安く買って高く売る」のが基本なので、利確のタイミングをウォッチしておく必要があります。
そう考えた時に、今までGAFAMが引っ張ってきた米国のインデックス一辺倒でいいのかな?と思うわけです。
eMAXIS 先進国株式インデックスは米国に偏ってます。
個人的にはあんまり期待してません。インデックスについては再考します(現行NISA含め)。投信については、〇年リターンの成績は参考程度にしてますね。それよりもボラティリティが大きいものに興味があります。日本が勝手に敵視している中国、ロシア、そしてインドあたりの良いETFがあればなぁと。もちろん、累積リターンスコアで8ポイント以上のリストにはそんなものありませんが(笑)。
個人的に、中国のマーケットキャップが米国のマーケットキャップを上回ってもいいのに、と考えてます。下図の通り、中国はFortuneグローバル500のリストで米国を上回っています。
また、中国のグローバル500の企業の収益は、米国のそれを上回ってます。これは史上初めてのことです。しかも、これがゼロ・コロナ政策真っ只中に起きたことであり、「中国のゼロ・コロナは失敗した」と結論付けている日米メディアの論調は全く意味が分かりません。中国企業と提携してマーケットを取っていくほうが賢い。それなのに、ありもしない強制労働云々を未だに叫んでいるのが日米。
米国はずっと中国企業の台頭を妨害しようとしていますが、実態としては、中国企業のグローバル化がより進んでいくと見ています。一方、中国企業の株価は低迷しています。しばらく低迷が続くとは思いますが、どこかの時点でマーケットキャップが逆転していくのではないかと見てます。それくらい、株式市場は眠っている。また、個人的には米国式の民主主義覇権体制が終わるほうに賭けたいです。安定運用を求める必要もないので(これは各々の投資ポリシー・資産状況によって異なる)、早く米国市場がクラッシュするなら別ですが米国以外に賭けたい。
投資をするなら、人が見向きもしないところですね。「安く買って高く売る」わけですから、実態より安いと思われる個別銘柄やマーケットを見ていきたいと考えています。よって、米国インデックス一辺倒は私の中では終わったな、と。コンサバが好きな方には良いと思いますよ。
繰り返しになりますが、積立投資は「下げてもいい」投資戦略なので、上昇し続ける個別銘柄やインデックスや投信を選択する必要もありません。一括投資とは違った目線で投資できるのも、面白いところです。