ZUUMA|直感投資と戯言

直感投資家。チャートも見ますが時事ネタ等から直感で動くスタイルです。記事は話半分以下でお読みください。キングダムの考察はnoteで更新中。https://note.com/kazugaga

分析|Fortune Global 500(2022)

今日は、フォーチュン・グローバル500について少し分析してみます。

 

フォーチュン・グローバル500(以下FG500)は、フォーチュン誌が毎年1回発表している、世界中の会社を対象とした総収益ランキングです。興味がある方は、オフィシャル・サイトから有料でリストが購入できます。

 

前回、新つみたてNISAで何をチョイスするかという記事を書きました。こちらの続き的な感じでお読みください。

investmax.hatenablog.com

 

 

企業数では中国がトップ

最新のFG500でも、中国企業の数が米国企業の数を上回っているらしかったので、リストを購入して中身を見てみることにしました。

 

 

 

データをソートして作成した国別の比較表が下記です。

 



ドイツとイギリスの企業数がグラフと違う(1社少ない)のですが、やはり企業数では中国がトップでした。SNS等では、中国企業の総売上(Revenue)が米国企業の総売上を上回ったと言ってる方もいましたが、実際にはほぼ同数で若干米国が上回っている状況。

 

利益構造

面白いのは利益(Profit)でしょうか。中国企業の利益は米国企業の半分以下です。これはどう捉えるかですが…良く捉えれば、中国企業は米国企業より利益を貪ってるわけではないということになるでしょうか。よりリーズナブルな価格で事業を運営している企業が多いと考えると、中国政府の「共同富裕」の思想が浸透しているのかもしれません。儲けすぎは叩かれますからね。顧客から暴利を搾取するよりも、理想的な社会が実現しそうな気がします。

 

経営的または投資的な視点で見ると、利益構造に問題があると捉えることも出来ます。利益よりも成長を優先してきたのか、またはコスト増で利益が生み出せていないか。

 

私はどちらもあると思っています。アセット(Asset)はしっかり確保しているようです。いずれにしても米国企業は儲けすぎですね。もちろん悪いことではありません。資本主義ですから。

 

ゼロコロナ政策は愚策?

中国に関してさらに考察すれば、ゼロコロナ政策下においても大企業の総売上を減らさなかった(逆に増やした)、つまり経済活動も守りつつ死者数を最小限に減らした政治手腕は、もう少し評価されても良いのではないでしょうか。

 

弱毒化した今、ゼロコロナ政策を転換。果たしてこれを愚策と呼んで良いのかどうかは、立場によって意見が分かれると思います。

 

日本の企業数の近年の下落は、経済がシュリンクしていた証左でもあります。米国は対中制裁と対露制裁によって自国経済を他国よりも相対的に有利に持っていったことと、米ドル高を演出したことで米国への資金流入を増やしたことが、要因としては大きいのかなと感じます。

 

ここからつみたてNISAの銘柄選定をどう考えるか、ですね。

 

ブロック経済vs共同経済圏

利益を生み出すという観点では、政府の手法はともかく、やはり今まで通り米国企業に利があると思います。米国は「ブロック経済圏」を維持・拡大するために、中国に対抗し続けるでしょう。もし抵抗が上手く行けば、FG500の中での米国企業数は維持・増加させることが出来るかもしれません。売上も利益も確保できている状況なので、米国株の指数は今後も運用銘柄として安定的だと考えられます。

 

逆に中国は「共存共栄圏」を広げています。

One Belt One Road

中国以西、中央アジア~西アジアを経由して中東に入り、そこからEUに繋がる経済圏です。EUは米国から言われるがままに一帯一路に抵抗していますが、今後はインドがどういう動き方をするかでどちらの経済圏が大きくなるかが決まります。途上国に経済圏を広げていくという意味では、中国企業の影響力は大きくなっていくでしょう。BYDなどの海外戦略は分かりやすいと思います。

 

10年スパンの積立であれば、北米銘柄で良いと考えています。ただ、10年以上を視野に入れる場合、やはり中国の影響力は考慮に入れたいというのが私見です。

 

積立は、以前の記事の繰り返しになりますが、チャートが山型では駄目です。EXITする時に谷型または右肩上がりである必要があります。そう考えると、山型になりそうな日本のマーケットは除外する。米国は人口が増え続けますが、軍事産業に頼っている部分も大きいので戦争を止めることが出来ない。こういう国はいずれ大きなものを失うでしょう。それが生きている間に起きる可能性は低いかもしれませんが、個人的には感情論を排除しても中国またはインド等の「金融的に新興国」である国の銘柄に興味を持っています。あとはフィリピン。

 

中国の動向

ここでレイ・ダリオの動画を見てみましょう。

www.youtube.com

 

 

貿易戦争、インフレ、Covid-19という3つの困難の中で、死者数を最小限に抑えつつ経済活動を潰さなかった国は一体どこでしょうか。そこに「強さの本質」があると感じたので、日本のメディアがこぞって「ゼロコロナ失敗」論しか報じない中、別の角度からFG500の分析をしてみました。

 

中国に対して戦争を煽っているのが米国と日本です。これは間違いありません。遠くない将来、台湾を巡って衝突が起きるでしょう。日中共同声明等をきちんと理解すれば、悪いのは日米側になります。政府が紛争画策に精を出し金も出す国は、やがて酷いことになります。米国のホームレスの数を見れば一目瞭然でしょう。都市別ホームレスランキングで2位はニューヨーク、3位はロサンゼルスです。内政は放置なのでしょうか。

list25.com

 

 

そんな国に誰が投資したいと思うでしょうか。儲ければいいという世界は変わっていくはずです。Twitterを買収したイーロン・マスクが、米国企業による言論統制・情報統制をバラしています。この流れは止まらないでしょう。

 

但し前述の通り、それでも米国は世界最大の金融マーケットです。下記のように株式マーケットの60%を占めています。

 

 

私は、中国国内の投資家人口が今後増えていくと予想しています。それにつれて、中国の金融マーケットも大きくなるはずです。FG500でトップの国でありながら、わずか3.6%のマーケットが中国なのです。このギャップは非常に魅力的。もちろん規制をかけながら、少しずつ拡大していくと思っています。そうなれば、中国企業はわざわざ米国市場で上場する必要もない。この金融分断は起きると思います。それでもなお、米国市場が強いことは変わらないでしょう。

 

安定運用を目指す場合は、北米の比重が高いほうが良いかもしれません。私は積立で安定を求める必要性がないので、考えは固まりつつあります。

 

余談になりますが、日本人が本当の歴史を学べる良書たちは、ほとんど日本人の目に触れることがありません。下記は奈良静馬・著の『西班牙(スペイン)古文書を通じて見たる日本と比律賓(フィリピン)』の冒頭の文章です。

 

『ワシントン会議は(中略)、日本の発展を徹頭徹尾、阻止しようとする日本いぢめの会議であった』

 

 

未だにこの手の妨害をやり続けている国があるということ、そしてその国が金融の世界でトップであることを、日本人のみならず世界が刮目しなければなりません。歴史から何を学ぶかは自由ですが、真実を知らない無知は時に罪になります。