NIOが2022年2月の納車台数(実績値)を発表しました。
一見、1月の納車台数から大きく減らしたように見えます。いや、数字上は確かに減っています。
ただ、NIOが事前に発表していた通り、台数が減った理由は2つあります。
1つは、春節中の営業です。2022年1月31日から2月6日までの春節休暇中、NIOは営業をしてませんでした。
もう1つは、同じく春節の機関中にNIO-JAC工場の生産を停止し、今月3月28日からスタートするET7の納入開始に備えて生産ラインを調整していました。
しかし理由があるからと言って、それをまともに理解できるのはNIOを愛する投資家の一部でしょう。
今は地合いも良くないので、モメンタムを迎える株は少ないです。以前も書きましたが、今年は特に「経済学的視点」で投資をしても稼げません。「地政学的、安全保障的」視点で投資する必要があります。
そう考えると、まともに上昇するのは時間がかかりそうですが、上がる時は一気に上がりそうな感じもします。徐々に、ET5やET7の動画も中国Douyinで増えている気がします。
私見ですが、NIOの株価上昇には米国の投資家のパワーではなく、どこかのタイミングで中国の投資家パワーが加わると考えています。
これも別の記事で書きましたが、米国経済は爆弾を抱えています。インフレについては、過去に上手くコントロールできた国はありません。米ドルが覇権を維持するには、他国通貨を下落させるか、米ドル建ての経済を増やすこと、またはその両方が必要です。軍需産業は上手く儲けることが出来そうですが、それがなければかなりキツイのかもしれません。米国の投資マインドが冷え込んだら上がる株も上がらない。ケースシラーも上昇し続けています。
そんな中、存在感を大きくしているのが中国元。デジタル人民元は、ドル覇権体制に対抗します。一帯一路経済の主要決済通貨の1つになり得るのです。米国が恐れているのは、これです。つまり米ドルの経済圏よりもデジタル人民元の経済圏が大きくなると、当然中国元のパワーが増します。そうなった時には(これには時間がかかります)、中国マネーは金融マーケットでも重要な役割を果たすかもしれません。
ということで、米国はさらに中国とのデカップリングをします。NIOはそのデカップリングリスクを乗り越えて、真のグローバル企業になれるかどうかが試されます。