2022年3月3日、NIOの子会社であるNIO Financial Lease Co. Ltdが、総額US$163mil(約188億円)の調達を行ったようです。中国初のカーボンニュートラル・プロジェクト向けABNとのこと。
✅上海銀行が主幹事
✅総規模は10億3000万元
✅優先Aグレードのクーポン率は2.89%
ABNはAsset-Backed (Medium-term) Notesの略で、資産担保債です。
予測可能なキャッシュフローが無いと、調達出来ません。資金を調達する企業が、一定期間内に元本と利息を返済することに同意することで、調達が可能になる融資手段です。
つまり、企業側の返済履行能力が重要です。
この点に関して、NIOの事業に関する将来性が最大限に評価されたと考えています。その将来性・収益性を裏付けるプレゼンテーションが行われたはずです。ここにはET5の先行予約台数も加味されているでしょう。個人的にはBaaS事業の拡大とET5の購入希望数のブーストが、融資獲得に貢献した割合が大きかったと予想しています。キャッシュフローが大事ですから。さらに、使途についても中国政府が進める国策=カーボンニュートラルに沿っているからこそ、資金調達が可能になったのでしょうね。
カーボンニュートラルと言えば遡ること2022年2月22日、Xpengの子会社Guangzhou Xiaopeng Automobile Financial Leasing Co. Ltd.もABS(Asset-backed Securities=資産担保証券)で7.75億元を調達してましたよね。NIOによる今回の調達に関しても、恐らく近日中にCN ABSサイトに掲載されるでしょう。
中国が世界のEVの中心地になってます。
NIOの調達額に関しては、Xpengよりは大きいですが、ABNの今までの実績で見ればそれほど大きくありません。ABN全体では、発行規模が10から15億元のプロジェクトが最も多いようです。優先金利は4.5%~6.5%が大部分を占めており、NIOの2.89%というのはかなり低いです。
このあたりを勉強したい方は、中国語ですが下記のサイトをご参照ください。