メタバースにネガティブな記事を書いた途端、Facebook（META）の株が大暴落してしまいました。これは時代の変わり目だと思わせます。
Facebook株は購入したこともないですし、メタバースが本当の価値を生み出せるかどうかは静観したいと思います。さて、本題のNIOを。今日はここから少し掘り下げて見ようかと思います。
✓ 2021年12月期の年間売上は$5.64B（56.4億ドル＝6,479億円）
✓ 経営陣は、ET5について月間10,000台のセールスを見込む
2021年の売上：$5.64B（想定）
2021年の売上（12月END）ですが、最終的に$5.64Bあたりと言われています。2020年の年間売上が$2.492Bなので、126％アップ。伸びとしては悪くないどころか、工場のラインを一時止めてることと、半導体を含めたサプライチェーンの混乱を考慮に入れれば、良かったのではないでしょうか。
NIOのGross Marginは18％程度と言われてます。Xpengは12％～13％、Li Autoは19～20％くらいでしょうか。以前も書きましたが、各社販売台数の単純比較が意味をなさないことは、改めて書いておきたいと思います。
気になるのは、BaaSだけでどれくらいの利益率になっていくのか、という点です。ここについては、見通しを含めてオフィシャルな見解が欲しいです。
この点について、憶測で儲かるインフラと言ってる方もいますが、実際の利益構造を見てみないとなんとも言えません。コストには提携したパートナーへのマージンも含まれるので、どれくらいのステーション数で今後何年で黒字になるか等、正確に分かる人はいません。
ET5のセールス予想
ET5に関しては、約460万円ｘ10,000台/月間＝460億円/月間（年間5,520億円）の売上ペースになっていきます。つまり、ET5だけで2021年の年間売上の85％を叩き出すことになります。
ET5について知りたい方は、過去記事もどうぞ。
それだけの台数が見込めるということは、ある程度先行ニーズが把握出来ているのでしょうね。NIOのラインナップの中で、「最も売れる車種」になるようです。但し、かなりコンサバティブな数字だと思ってます。需要＞供給だと思いますので、実際の供給量より需要の方が大きいと予想しています。
BaaSの優位性を改めて
ヘキサフルオロリン酸リチウムやリン酸リチウムなどの主要な電池成分の価格が昨年400％も急騰しました。これはバッテリー価格に影響を与えることになりますが、バッテリーを切り離して車体販売が可能なNIOはこのコストを顧客に転嫁することなくEVの販売を推し進めることが出来ます。これは政府のカーボンニュートラル（2060年）に向けて好都合です。具体的には、クリーンエネルギー車の割合を2030年までに40％に引き上げる目標を達成するために、原料高による顧客の買い控えを抑える必要が出てきます。
BaaSを提供していないEVメーカーは、テスラがそうしたように（上記リンク参照）、原材料が高騰すれば車体の価格を値上げする必要があります。さもなくば、Gross Marginを毀損します。量産すればするほど、この違いは鮮明になっていくでしょう。車体の値上げ理由は、間違いなく原材料費の高騰にありますが、ユーザーは果たしてこれを受け入れるでしょうか？
NIOの場合、ノルウェーの初期の顧客の92％がBaaSモデルを選択したことからも、ヨーロッパでBaaSモデルが選ばれていく未来が見えます。やはりBaaSだけで利益が取れるのか、トントンなのか、リサイクルモデルを含めて見ていく必要はあります。
人気銘柄の宿命
私が投資絡みのTwitterアカウントを開始したのは2021年1月です。実は開始するまで、NIOがこんなに人気のある銘柄になっていたとは知りませんでした。
2019年に$2台で買っていた頃は、過去記事にもその時のキャプチャーを掲載しましたが、周りにはNIOを知っている人もいませんでしたし、中国人の友人たちもほとんど知りませんでした。
Twitterを開始して分かったのが、「日本人もかなりNIOホルダー増えてる」ということ。1年未満でテンバガー達成してしまいましたからね、それでもこんなに人気の銘柄になったのかぁと感慨深いものがありました。
もちろん外国人にもホルダーが多い。で、ホルダーがNIO! NIO!と騒げば騒ぐほど、実はショートセラーにとっては好都合な地合いが来てたわけです（笑）。機関投資家のPrice Targetで盛り上がるほど、個人投資家は焼かれるのです。
NIOはMost Shorted Stockの1つです。
まぁ…色々あるので書くのはやめておきますが、人気銘柄の宿命ですね。少しでも健全な投資環境になってくれることを願うばかりです。
「上がったら下がる」と書いた通りに、また下げてます。繰り返しになりますが、この大きなダウントレンドの転換までには、少し時間がかかります。
