皆様、GW2023はいかがお過ごしでしょうか。私は体調を崩したおかげで、3日も静養に当てることができました。しんどかった(今もしんどい)。
そんな中ですが、2012年に購入したフィリピン不動産を売却することにしました。どのような不動産かは、下記の過去記事をご覧ください。
キャピタルゲイン
まずは、読者のみなさんが気になるキャピタルゲインを先に書いてしまいましょう。下図にまとめましたのでご覧ください。
プレビルドで購入したのが2012年なので、築10年くらいになっていました。購入した年は円高だったので、セオリー通り他通貨への投資先として選定したのがフィリピン不動産でした。今は円安になってますので、為替利益が乗った形です。
これが投資の実態です。実態を公開する人がほとんどいないのが海外不動産ではないでしょうか。
予想通り
この記事からご覧になった方は、「評価額より安いじゃん」と呟いていることでしょう。改めて過去記事をご参照ください。すべて予想通りです。
投資用不動産をプレビルドでバンバン販売しているような国は、フィリピンはまさにそういう国なのですが、評価額=売却額にはなりません。不動産の営業をしている人は、「2年で倍になりますよ!」と平気な顔で言います。嘘ではないのですが、倍になった価格で買うバイヤーが現れるかどうかは未知数です。恐らく、限りなく低い確率でしょう。試しに不動産業者に聞いてみてください。「では、2年後に1.5倍で買ってもらえますか?」と。
立地さえ悪くなければ、どの不動産も評価額自体は上がるのです。
過去記事に詳しく書きましたが、プレビルドで安く投資物件を買える国で、誰が値上がりした不動産を買うのでしょう?よほどのプレミアム(付加価値)がなければ、プレビルドまたは新築で利回り保証付きの物件を買うでしょう。なので、売却できる投資用不動産を選ぶことが投資する上で最も重要です。にも関わらず…(以下自粛)。
なぜ売ったのか
私が今回売却を決めた理由は2つです。築10年くらいになったことと、円安が決め手です。この10年くらいは、ほぼ空室になることなく借り手がいたので、月22万円ほどの家賃収入を得ていました。ここから先のことを考えると、転売する機会が低くなっていくと思います。ちょうどそんなタイミングで、バイヤー(買いたい人)が現れてくれたのです。
立地も良く最上階でレストラン&スーパー&クリニック&ジム&テニスコート&シガーバー&ゴルフシミュレーター&(キリがないのでやめます)付きのため、バイヤーの方も転売は可能かと思います。なにせ評価額よりかなり低い金額で購入できるわけですから、彼にとっても悪くないディールですよね。
私としては、評価額より安く売っても良いとずっと考えてました。なぜなら、インカムゲイン(家賃収入)が10年取れたからです。それを含めればトータルリターンとしては、悪くありません。
コスト
購入した額から売却額を差し引いた分が純利益になるわけではなく、売却時にコストが発生することも投資時・売却時に考えなければなりません。フィリピンにおいては、ざっと下記の売却コストが発生します。
・Capital Gain Tax:6%
・Documentary stamp tax (DST) :1.5%
・LTT(Local government Transfer Tax:0.5%(地方) or 0.75%(メトロマニラ)
(2023年5月現在)
この他にも、タイトル(登記情報)を移動させるためのRD(Register of Deeds)費用がかかりますし、私のように弁護士を入れる場合は弁護士に払う費用も発生します。また、日本在住の場合はフィリピンに書類を送ったりしなければならないので、1回あたりEMSだと1,900円(A4サイズ封筒500gまで)がかかります。人によってはブローカーも使うかもしれませんが、その場合はブローカーへの支払いも発生します。全てコストなので、これらを差し引いたものが純利益になります。
投資時に、ここまでシミュレーションしてくれる不動産業者は恐らく皆無です。物件が売れれば良いので、そこまで面倒を見る必要もありません。「転売の協力はします」と言ったりしますが、実際は辞めてしまったり手伝ってくれなかったり、ということが多いようです。
もちろん、発生するコストは国によって異なるため、その国の事情を調べた上で投資しなければなりません。また、税金を支払う場合は二重課税にならないように日本での自己申告も必要ですが、「無税の国で売却したから無税でいい」というのは有り得ません。投資家がどこに住んでいるかで、適用される法律が決まるからです。日本に住んでいれば日本の法律が適用されるので、税逃れは違法です。この点については、不動産業者ではなく日本の税理士に相談しましょう。
<余談>
法律は住んでいる国が異なれば異なるのですが、えてして「現地感覚」で語ってしまう業者がほとんどです。海外で加入できる保険(ユニバーサル保険等)も日本人にとっては非常に魅力的なものが多いのですが、基本的には日本の保険業法で「日本人が海外の保険に加入する際は内閣総理大臣の許可が必要」と決まっています。まぁ、誰も守ってないでしょうけど…海外の保険屋さんは知らないでしょうね。
最後に
購入してすぐに転売できるほど、新興国不動産は甘くないです。もちろん、それをやった人も知っていますが、圧倒的に「売れずに貸せずに持っているだけ」という日本人オーナーが多いです。
また、海外の投資家と直接つながっているブローカーの方であれば、安心度は増します。なぜなら、自分の物件を転売したいときに紹介→紹介→紹介でバイヤーを探してくれるからです。投資家ネットワークというものですね。
フィリピンの場合、もちろん国内の投資家もいますが、海外の国の投資家が私が購入したときのように為替的にも割安な投資物件を狙っているケースがあります。より多くの国のネットワークがあれば、為替的に有利な国の投資家にアプローチして決まるケースも少なくありません。今、日本は円安なので海外からの投資家がまた狙い始めてますよね。それと同じ構図です。
私は幾つか海外不動産投資をやってきましたが、海外不動産に投資をしたい方にあと1点だけアドバイスを。投資する国で銀行口座を開設するのはマストだと思っています。ローンで買う場合は必須になるかと思いますが、一括の場合も開設しましょう。
不動産は持っているだけで色々とコストがかかります。固定資産税、共益費、光熱費等…それらの支払いを日本から海外送金するのはコスト増です。また、SMBC等メガバンクの窓口での海外送金が非常にウンコでイライラします。窓口予約を取るのに、1ヶ月先とかザラです。ネットバンキングで送れなくもないのですが、早くクリプトでDirect Transferできる世の中になって欲しいものです。契約も、BlockChainで管理すればトレースできますからね。