昨日、ハイエナ急騰ということで記事を書きました。
事の本質を知らない日本人の方が多そうなので、分かりやすく書いておきたいと思います。これは、金融史に名を残す「世界同時オタク蜂起」です。
なにが起きたのか
過去記事に書いた通りですが、箇条書きで簡単にまとめます。
①Short(空売り)で儲ける投資会社がある
②斜陽企業に対してShortを公然と仕掛けて儲けようとしている
③そのターゲットの1つがGameStopだった
④投資会社のShortを許さないゲームオタク人たちが掲示板で結託
⑤多数の人がGameStopの株を買い、下落を防いだ
⑥結果、世界中のムーヴメントになり、株価が急騰
GameStopを愛する投資家
GameStopは、街のゲームショップです。
オンラインゲーム全盛の今、街のゲームショップは日本と同様に斜陽気味。ただ、ボードゲームやテレビゲーム世代にとっては、自分の幼少時代に愛して通った企業に対して、空売りを仕掛けられるのは我慢ならなかったのです。
しかも、リーマンショックの時も、盛大な空売りで儲けた投資会社がいた一方で、潰れかけた金融機関を救ったのは国民のお金=税金でした。つまり、投資会社は丸儲けして、税金という負担を強いられることになったのが国民なのです。
ここから、投資会社vs投資家という、ハリウッド的な争いが勃発したのです。投資会社はメルビン・キャピタルやシトロン・リサーチ。
個人投資家の蜂起
ここから、投資家同士の賛同を呼び、さらに賛同したゲームオタク人たちが参戦。この蜂起がアメリカのみならずヨーロッパにも拡大していきました。1人の投資額は少なくとも、大勢が集まれば投資会社に空売りさせないほどの株価急騰を演じられたわけです。
この蜂起は、金融史に残る出来事になっています。なぜなら、SNSを通じて金融市場に大きなMovementを引き起こすことが可能だと分かったからです。そして空売り残はまだ112億ドルも残ったままです。株価が上昇し続けると、投資会社が潰れるかもしれません。
今後どうなるのか
私が「規制したほうがいい」「でも規制しないだろう」と記事に書いたのには、相反する理由があります。
規制したほうがいい理由は簡単です。今回結託した個人投資家が仮想敵を見つけたら、企業の経営状況や決算に関係なく「思惑オンリー」で株価の操作が可能になってしまったからです。まるで、アメリカ大統領戦の民主党支持者vs共和党支持者のような構図。誰かを敵と定め、結託し、著名人が絡みつつ、一気に過激な行動に出る。
これは金融市場にとって健康的ではない。まるで劇場です。ハリウッドです。なので、一定の条件下で高騰する場合にストップ高(またはストップ安)を設けるべきではないかと思うのです。新コロショック時、サーキットブレーカーを3回発動したわけですから、出来なくはない。
規制しないだろうとした理由も簡単です。ここで投資規制をしてしまうと、「自由」と「人権」と「民主主義」の国ですから、自由侵害・人権侵害になってしまうからです。アメリカは、他国に対して人権侵害だと言って喧嘩を売れなくなります。せっかく中国に喧嘩を売っている最中、自国民から同種の喧嘩を売られてしまうのです。
ほら…言わんこっちゃない、です。我が身に返ってくるんですよ。
こういう、ダブルスタンダードが存在しているアメリカでは、さらに混沌が増すと思っています。今までの歪が、膿が、溢れ出します。株価の上昇、All Time Highを自慢してきたものが、崩れかねないのです。この流れの中で、メタルや中国・上海市場に投資資金が一部流れるのでは、と書いたわけです。
これは金融市場の混乱の仮面を被った、アメリカの歪みです。
週明けに落ち着きを見せるのかどうか…そして私は、今Redditで会話されている「次のターゲット」を知ってしまっています。前からポジションを仕込んできたものがターゲットに…どうなるんでしょう。まだの方は、今仕込み時かもしれません(笑)。
そしてインドもきな臭くなってきてます…指数的には少しBEARISHかな。