ちょうど1年前に書いた記事。
これが本当に爆弾になる可能性が高い…というか、早ければ明日または明後日に爆発しそうなので改めて書いておきたいと思います。
1年前、恒大は「根も葉もない噂」としていましたが、それは真っ赤な嘘でした。それでも、中国政府が恒大を救済するはず…と期待する声もあったのですが、今月14日、政府による救済はないと中国政府が表明しました。
つまり、恒大の倒産がほぼ確定しました。
中国の不動産市場は経済全体の中で2~3割を占める巨大産業。それでも救済しないのは、習近平にとって不健全な株高やバブル、金儲けを救済せず徹底的に潰すという方針を取っているためと思われます。
テック企業、教育企業に対しても、健全性を求める規制を次々に実行してきました。富をむさぼる企業・富裕層に対しても、これ以上無い警鐘です。ただ、これはずっとやってきたことであって、最近突然路線を変更したというわけでもありません。
投資家は、ここが理解出来ない。
あぶれた不動産は国有化されるでしょうね(土地はもともと国のもの)。フィンテックもほぼ国有化される。GDPも増大し、インフラも整い、貧困対策も今のところうまく進み、香港での米国による民主化煽動も潰し、中国式資本主義経済+新社会主義体制を推し進めるのだと思います。
これは恐らく国家の在り方として、1つの成功モデルになると思います。中国を敵視する米国や日本が、それをいつまでも「悪」として見れば見るほど、経済的に困窮していく。資本主義にしがみつけばつくほど、実態経済が落ちていく。これはまた別の機会に。
今回の恒大の問題だけ切り取って見れば、リーマンショックほどのものにはならないはずです。なぜなら、債権者のほとんどは中国国内のはずだからです。海外の銀行・証券会社がリーマンショック時のようなブラックボックス的投資をやっているわけではありません。
ただ、投資家として判断しなければならないことが1つあります。それは、中国政府が株価の暴落も厭わない新社会主義体制を目指し始めたとしたら、国の政策によって株価が上昇することは少なくなっていくということです。つまり、投資家としては中国株に投資するのは今後どうなのか?という大きな疑問を抱かせるのに十分、中国政府の姿勢がはっきり見えたということです。
私はてっきり、共産党100周年に株価上昇を演出すると見ていたわけですが、中国にとってそれよりも大事なのは、自浄作用(金儲け主義に対する規制)と国家資産なのです。
今年中に、中国株をどうするか見極めたいと思います。