昨日、日本のNewsでも配信されたバイデンの会見を見て、唖然とした人たちが多かったのではないでしょうか。
なぜなら、米国帝国主義の最たる目的を、隠すこと無くあけっぴろげに語ったからです。
バイデンは、「中国とは厳しい競争になるだろう」と述べた。「中国には全体的な目標があり、その目標を批判するつもりはないが、世界をリードする国、世界で最も裕福な国、世界で最も強力な国になるという全体的な目標を持っている。だが、私の目の前でそれが実現することは絶対ない。なぜなら、米国は成長と拡大を続けるからだ」と。そして「これは民主主義と専制君主制との戦いでもある」と。
アメリカは、何が何でもNo.1でなければならないと思っているのでしょうけど、中国は昨日の記事に書いた外交部の発言通り、アメリカを蹴落とそうとは思ってないのです。中国が戦っているのは自分自身であり、アメリカと戦う意思はないと明言してます。
そして、他国の政治体制に口出しすべきではありません。
アメリカは、振り上げた拳を自ら絶対に降ろさない国です。Holding Foreign Companies Accountable Actを何がなんでも遂行しなければならないと思い込んでます。当然、修正などしません。謝ったら負けの国。
中国を屈服させるためだけに、苦しみと痛みを与える。フラットに見て私はそう考えているのですが、SNSなどを見ていくと、実は海外にもそう思っている方が多いようです。下記はオーストラリア出身のジャーナリストの記事。
<一部抜粋して翻訳>
先日ご紹介したように、米国政府は、同盟国で日常的に行われている大胆な人権侵害を故意に無視する一方で、中国のような国を戦略的に弱体化させるために、「人権」問題を不正に武器として利用する方針をとっていることは周知の事実である。アメリカ政府は、中国のウイグル人の窮状を気にしていない。彼らの権利の乱用に関する疑惑が明らかに穴だらけであることも気にしていない。彼らの権利を侵害しているという疑惑が、明らかな筋書きのないものであることも気にせず、ただ世界の舞台で地政学上の最大のライバルを弱体化させることしか考えていない。
(中略)
今世紀に入ってから、アメリカが軍事的大量殺人のキャンペーンで何百万人もの人々を喜んで虐殺してきたのと同じ宗教の人々である。今世紀に入ってから、アメリカが「テロとの戦い」と称したテロ作戦で何千万人もの人々を追い出したのと同じ宗教者たちである。米国がグアンタナモ湾やアブグレイブなどの施設で悲惨な拷問を行ったのと同じ宗教の人々である。
昨日の記事の通り、全く同じ意見です。
イスラム教徒が多い国々がなぜ中国を擁護するのかは、宗教観の薄い日本人はきちんと見ておく必要があります。なぜなら、アメリカに同調するということは、本質的にイスラム教徒を弾圧するということに繋がりかねないからです。日本人がそう思っていなくても、イスラム教徒の中には「日本とアメリカは一緒」と思っている方もゼロではありません。
個人的な見解ですが、この戦略は結果的に米国を凋落させると見ています。
Baiduが香港で上場したのも、資金調達というよりは、米国という政治的粘着国家からの回避策と見ています。中国系企業は、万が一、米国が証券取引所のリストから外すことを考えて、回避策を取っていくと見ています。現在ではその可能性は無いと思っていますが、ゼロではありません。
そうなると、中国も報復措置で、米国系企業への投資を禁止するかもしれません。また、中国という14億人のマーケットから、米国企業を締め出すかもしれません。これは、どちらも痛いと思いますが、米国のほうが打撃を受けます。そうならないことを願っていますが…
こういう流れにおいては、私の推し銘柄であるNIO、BAIDUは多大なる影響を受けてしまうので、業績に関係なく株価は下落します。既に意味不明なほど下落してますが、さらに下落する可能性もあります。
ということは買いのチャンス。ここでARKの最新のBUY & SELLを見てみましょう。
TENCENTとBYDを売って、BAIDUの買い。結構買いましたね。Tickerを見るとNASDAQのBAIDUで、香港BAIDUではありません。
ARKとしては、米中摩擦はいずれ解決すると見ているのだと思います。
私はもう少し時間がかかりそうな気はしてますが、それにしても売られすぎてますので、実は昨夜BAIDUを買ったところでした。
たった2日間で23%も下げました。Revenueが増え続けている優良企業で、こんなに下げるのは見たことがありません。奇跡です。
なぜ冒頭で米中問題に触れたかと言いますと、投資家の中では世界を牛耳っているのは良くも悪くも米国であり、世界の中心の証券取引所は米国であり、最も強い通貨は米ドルであるという現在地は、変わっていないのです。米国が正義の仮面を被ったアングロサクソンの悪魔だとしても、一般人にそれが既にバレていたとしても、まだまだ中国は弱いのです。
ただ、新型コロナウイルスを契機に、「本当に良いことをしているのは誰だろう」というのが徐々に分かってきた人も多いと思います。
下記は、ワクチンの供給量。英国と米国が、全く他国に輸出していないことも見えます。自分のことしか考えてない。
ワクチン外交と揶揄されようが、正しいと思うことをやり続ける意思は中国や世界にとっては大事なことです。それをやっていない国から、とやかく言われる筋合いはありません。
ボランティアをやっている人たちが、ボランティアをやっていない人たちから売名行為と罵られる構図と全く一緒だと思いませんか。何と言われようが、それで救える命を救っているという行動と事実のほうが、重いのです。
日本人も、ワクチンすらまだ作れていない国だということを自覚して、ワクチン外交がどうのとか、中国のワクチンはどうのとか、言える立場にはありません。鼠がライオンに吠えているのを恥ずかしいと感じ、政治問題に左右されないバランス感覚のある人間でありたいですよね。
で、投資的にはそのあたりも理解しつつ、「まだまだ米国は強い」という認識でマーケットを見る必要があると改めて感じました。
<参考記事>