※この記事は、過去記事の再編集版です。
当時のアメリカとしては、ベトナム戦争に踏み込む大義名分が欲しかったのです。事件の経緯については、ペンタゴンペーパーズによって捏造だということが後に明らかにされました。
ペンタゴンペーパーズによると…
合衆国政府は1964年2月1日の時点で、サイゴンの米軍事援助軍司令官の指揮下に「34-A作戦計画」という北ベトナムに対する広範な秘密作戦をすでに発動していた。情報収集、破壊活動、沿岸施設の砲撃に始まり、最終的に、北ベトナム経済の中核部を破壊するというものだった。(Source:米国国立文書館「Pentagon Papers」)
問題は当然アメリカにあるのですが、当時から続く日本や西側諸国のメディアの風潮として更に問題なのは、米国の発表を根拠のないまま無批判に報じたことです。ちなみにベトナム戦争の結果(パリ平和協定調印によるアメリカ軍の全面撤退)、このトンキン湾の利権をアメリカは獲得出来ませんでした。
NHK「映像の世紀」でも、この米国による捏造工作について放映されていました。
トンキン湾、フィリピン~ベトナム~中国(海南島)~香港~インドネシアを近距離で結ぶ、一大経済圏に発展する可能性を秘めています。海南島を足がかりに、この経済圏を牽引しようとしているのが…中国です。
話を戻します。繰り返しになりますが、今でも「アメリカが正義である」という論調のメディアばかりだと、事の本質を捉えることが難しいのです。
あえて具体例は書きませんが、「見方」によっては、双方の言い分があるべきですし、どちらが正義なのかも変わって来る可能性があります。アメリカが今仕掛けている中国との戦争については、もちろん中国側に問題が無いわけではありませんが、ウイグルや香港を初めとして捏造されたものが多数「真実」として信じられています。これは機会がありましたら改めて書きたいと思います。
私は中国の歴史を深堀りしているとは言え、中国共産党の支持者ではありません。本記事の通り、アメリカの捏造体質を正義とも思っていません。日本人にとって、バランス感覚を持って事の本質を見つめていくことが重要だと思います。