福島県出身者として言いたいことがあります。
汚染水か処理水か、呼び方などどうでも良いですし、科学者以外の一般人が汚染物質を語るのもどうかと思いますし、ましてやイタ電やジャニーズの性被害などで報じるべき本質を誤魔化さないでもらいたいと…福島出身の人間として心から思ってます。
最もケアしなければならないのは、放出したORしない、汚染物質があるORない、そういうことではありません。日本政府は、福島の漁業関係者の生活と尊厳を守るべきです。他国を悪者にして、自らを正当化してはいつか来た道です。
ここで少し日本の輸出について、経緯を見ておきましょう。
まずは、昨年2022年の国・地域別の農林水産物・食品の輸出額です。
(ソース:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/e_info/attach/pdf/zisseki-11.pdf)
軒並み、輸出が増えてましたね。コロナで消費も低迷してきた中で、アフターコロナの経済回復が見られました。
次に、今年上半期の状況も見てみましょう。
(ソース:https://www.maff.go.jp/j/press/yusyutu_kokusai/kikaku/attach/pdf/230804-1.pdf)
香港や中国が日本からの輸入をかなり増やしてきたことが分かります。一方米国は、汚染処理水放出前から輸入額を激減させてきました。その額、なんと▲83億円です。「米国=高インフレによる消費低迷」が理由となっていますが、果たして本当でしょうか。
日本政府のレポートはにわかに信じることが出来ませんので、客観的に判断する力が必要です。
米国のインフレ率は、下記の通り2023年1月以降、昨年と比較しても急激に下落しています。具体的には、2023年1月に6.4%だったインフレ率は、6月には3%に低下しています。米国が輸入を減らしたのを「高インフレ」によるもの、とするのは無理があります。
念のため、米国政府公式発表のチャートも掲載します。これも前述の通りです。
米国の個人消費が著しく落ちているかというとそうでもなく、下記のレポートからも個人消費が好調を持続していることが示唆されています。
・個人消費(前月比)は6月が+0.5%と年初から6ヵ月連続でプラスとなった
・労働需給の逼迫を背景にした賃金・給与の堅調な伸びに支えられ、底堅い伸びを維持しており、個人消費が好調を維持する要因となっている
なぜこのような、誤解を招く理由をつけるのでしょうか。米国が日本からの輸入を激減させた本当の理由は何でしょうか。
下記は国別の2023年累計です。
客観的に見て、米国に忖度するよりも、中国・香港・台湾などアジアの近隣国が輸入を減らさないような努力をすべきでした。日本政府は「やってきた」と言うかもしれませんが、漁業関係者から見ればやってないのと一緒。全ては結果なのです。輸出が減った分を、米国がカバーするのでしょうか。
漁業関係者のことを考えたら、他国をどうのこうの言うのは意味がありません。そんな議論が増えると、本質が見えなくなります。一番の被害者は自国にいるわけで、彼らの尊厳を無視した一方的な放出だったということです。
漁業関係者にしてみれば、彼らの生活が守られて、汚染処理水の放出前と変わらない生活を送ることを最も臨んでいたことでしょう。その生活が守られているのであれば、一時的なイタ電など痛くも痒くもありません。残念でならないのは、生活が守られなかっただけではなく、イタ電という「悪者のすり替え」が行われたことであって、襟を正すべきは日本政府なのです。
そういう視点で物事を見ることができれば、ロシアのことを善悪二元論で報じてきたフェイクメディアの姿勢は変わってませんし、堀江の主張もロジックから外れてますし、最大限報じられるべきは漁業関係者の本音ですよ。福島の新聞を全国紙にしたほうが良いです。
以前から酷評してきましたが、キッシンダーは日本史に残る米国の子犬(悪)です。もうどうしようもない。一体、誰を見て政治をしているのでしょうか。今回も福島は守られなかった。結果、それだけです。