NIOに関してGood Newsが入ってきました。合肥市と提携をさらに進め、EVのIndustrial Park(工業団地)を建設するそうです。
<KAZUMATOME>
✅NIOは安徽省合肥市政府と提携
✅新しいエネルギー自動車工業団地を設立する
✅同市がEV生産の新しいハブとなるべく、工業団地を建設する
(SOURCEはこちら)
NIOの株価は、ほとんど反応しませんでした(笑)。逆にテスラに引っ張られて少し下げてましたね。
地方政府との提携メリットは大きい
工業団地(Industrial Park)は合肥市政府が建設、資金調達、人材獲得を支援。中国では良くあることですが、やはり地方政府が支援する意義は大きいです。「お墨付き」ですからね。その都市には、税金が落ちるのでWin-Winというわけです。
私もNIOと比較したら規模は極小ですが、上海、北京、深セン、成都、武漢と協議をしてきました。今は成都政府と話を進めてます。
当局による投資の規模は明らかにされていませんが、NIOへの株式投資から得た利益を再投資することを計画しているそうです。既に合肥市とは懇意ですからね。2020年4月、合肥政府が主導する事業体から10億ドルの現金注入を確保し、財務体質を大きく改善することが出来ました。株価としては、そこからテンバガーを達成したのです。
Marcelさんの動画もご参考まで。Marcelさんは、FUTU、TIGRに投資していずれも4倍のリターンを得た投資家です。
EV販売台数の拡大
株価としては盛り上がってはいるものの、EVの販売台数は冷静に見ておく必要もあります。
EVは、現在の世界新車販売数のたった3%であり、2030年の予測でもまだ全体の15%程度です。
<中国のEV車販売台数>
✅2020年全体:9.8%増の111万台
✅2020年12月:前年同月比58%増の20万6000台
中国は社会全体がEVへ急激にシフトする可能性を秘めているため、テスラが最も注力するマーケットでしょう。その中で、NIOが合肥市を押さえた意味は大きいと思うのです。
合肥市、知られざる大都市
合肥市は、日本人には特に馴染みがないかもしれません。最新の統計ですと、人口が1,000万人を超えました。東京より人口が多い都市です。
中国語ですがイメージ動画を載せます。途中でチラッとNIOが登場してます。
漫画キングダムをご存知の方向けに言いますと、合肥という名称は紀元前3世紀に秦がつけた「合肥県」から現代まで続いています。それが今や、新興産業の集積地です。
とは言え、都市別GDPランキングの20位にも入らないところが、中国の大きさを物語ってますね。
将来を見据えた動き
EVマーケットでのGame Changerの座を狙って、異業種参入が続きます。
✅アップル:EV参入に向け、現代自動車やBytonなど複数メーカーと交渉
✅バイドゥ:浙江吉利控股集団と提携、新会社「百度汽車」設立
✅アリババ:上海汽車集団とEVの合弁会社設立。高級EVの新ブランド展開へ
✅ホンハイ:Bytonと提携。念願のEV量産化開始へ
株価にどう影響するのかまだ未知数ですが、業界全体が活性化するのは間違い有りません。業績に対する鍵で言えば、やはり高コストのバッテリーをどう低価格化するかにかかってます。
もし、「2022年3月から全固体電池を提供する」というNIOの発表が間違いないのであれば、中国市場ではNIOが最も有利な企業だと見ています。一般的なリチウム電池と比較して1/3のコスト。急速充電も可能、寿命も圧倒的に長い。バッテリースワップという概念、サブスク、ドライビングサポート「NOMI」のAI。
個人的には、圧倒的にNIO有利と見ています。他社が全固体電池の製造に着手できなければ、バッテリー自体のOEM提供をする可能性が出てきます。それくらい、全固体電池の製造を可能にしたニュースは驚愕。ホントに?と思った関係者も多いはず。
株価が既に高いのは期待されている証拠だと思いますが、もはや適正株価とは何なのか分からなくなってしまいました。