企業価値を算定してもらった
先日、自分が出資した企業(株式総数の99.4%を保有)の、現在の企業価値を算定してもらいました。
現在はまだシード期なのですが、企業価値としては45億円~61億円とのことです。2018年に設立した企業で、4期目。
事業性から、上場も可能な企業です。今回の価値算定は日本市場だけを勘案していて、海外市場は含めていません。もちろん、海外展開も可能です。アントレプレナーとしては、これで良いとは全く考えてませんし、本来の企業価値とは、顧客に価値を提供してこそ、ですね。
今日はこの企業価値について。
シードって何?アーリーステージって何?
出資やスタートアップを経験したことがない方もいらっしゃると思いますので、下記はご参考まで。
IPOを目指す企業が、ステージごとに資金調達しているのを投資をしている方なら見たことがあると思います。IPOは経営者や出資者から見れば、ひとつの目標ですね。もちろん、目指さない企業もあります。
NIOのIPOに至る企業価値
前置きが長くなりました。本題です。
NIOについて、Series A~IPOまでの資金調達ヒストリーを掲載しておきます。
シリーズAの時点で、恐らく600~1,000億円くらいの企業価値があったと思われます。私が出資している企業の企業価値が足元にも及ばないことが良く理解できると同時に、NIOの企業価値がシリーズAの段階からかなり高いということも良く分かると思います。純粋に凄い。
そんな企業が、IPOまでどんどん企業価値を上げて行き、ものすごい出資者のメンツを見るにつけ、「IPOしたら絶対投資しよう」と思ったわけです。IPOというイベントが非常に目立って見えますが、IPO以前も投資する場合には非常に注目すべきポイントが多いのです。
たかが企業価値
で、ここからも重要です。
自分のカラダに自分でムチを打つことにもなりかねないのですが、企業価値(バリュエーション)を信じ過ぎてもダメです。企業価値とは1つの指標に過ぎず、企業価値が一時的に高く出たからと言って事業が上手くいくとは限らないのです。
想定した収益が上がらなければ、企業価値というのは砂上の楼閣です。
1つの良い事例としては、日本人がこぞって飛びついたClubhouseがあります。下記の記事をご参照ください。良記事でした。
Clubhouseは一時期、企業価値が10兆円でした(笑)。本当に笑ってしまうというか、そんな価値をどういう根拠で算出したのか全く理解出来ないのですが、こういうケースは少なくありません。一体、現在のマネタイズ状況はどうなっているのでしょう。時間が無駄なので調べないでおきます。
最後に
企業価値を上げるのは資金調達をする上で重要です。また、価値を上げるテクニックもあると思います。
でも実際に出資してきた経験から言えることは、一時的な流行りに乗った企業価値は信用に値しないということです。他社が真似できない仕組みを持っていたり、特許や技術を持っていたりすれば別なのですが、そうでない場合に企業価値を盲信するのは危険です。
株式投資する上でもここを見極める必要があります。出資を多く経験するアントレプレナーであれば、株式投資以上に神経質になってしまいます。IPO以前の段階で見極めることは、極めて難しい。ちなみに私の場合は出資するか否かは、「人」の部分が大きいです。「人」を信じて出資するのであれば、誰にも文句は言えませんから。完全に自己責任です。
長くなりましたが、やはりNIOの凄さを垣間見てしまいます。で、アリババが設立したEV企業・智己汽車(IM Motors)は、シリーズAで企業価値6000億円です。高過ぎません?