NIO DAY 2021で発表されたNreal社ARグラスの車載利用。まだどのような用途で…というところまでは明らかにされませんでしたが、William Liがヒントとなるような発言をしていました。
「将来、車内のディスプレイが不要になるかもしれない」
発表されているET5のダッシュボードまわりは、本当に洗練されていて余計なものがない。そこに、ARグラスが使えるようになる世界観。素晴らしい。
ET5のARグラスについては、車体価格には含まれず、ユーザーが別途購入する必要があるそうです。金額や仕様などはまだ明らかになっていません。
恐らくですが、下記のようなコンテンツが開発されていると予想します。
✅道路交通標識
✅歩行者や接近車両のアラート
✅最寄りの充電ステーションまでの距離
✅バッテリー残量・走行速度・天気
✅目的地までのルートとガイダンス
✅NOMIとの連携
表示領域がかなり広いので、様々な情報をディスプレイすることができそうです。また、ユーザーが表示のON/OFFを切り替えられるようになれば、不要な表示をさせずに走行することも出来るでしょう。
個人的にはスマホのOSと連動して、Notification（通知）を表示させる…なんてことも妄想します。通話着信も音声応答したり、近未来的なEVの世界観が広がっていく。NIOの発表を受けて、既存EVメーカーやスマホメーカーも、目の色を変えているはずです。だって、デバイス（スマホ）とセットでEVのチューニング・販売が出来るかもしれないからです。
そういう意味で、NIOの戦略は先行していると思いますし、他社も追随していくでしょう。
この追随という意味で面白いのが、バッテリーサプライヤーへの投資にも当てはまります。NIOのバッテリー戦略については、衛藍新能源（WeLion New Energy Technology）の動きから目が離せません。この企業は、NIOの新型バッテリーの供給元であると思われている企業です。
シャオミが衛藍新能源に戦略的出資をするというニュースがありました。裏を取ろうと思って中国の出資関連情報を調べたところ、掲載されていました。
出資額は5億元、出資者はXiaomi、Huawei等となっています。日本の情報と差異はないですね。世界的にバズるであろう、ET7に搭載される新型バッテリーパックを衛藍新能源が提供するということになれば、出資する側としては「価値がある」という判断をしたのでしょう。
まぁインサイダーにもならないので、中国のトップレベルの企業トップは色々と繋がっていると見て間違いないです。William Li恐るべし。
話が少しそれてしまった感もありますが、スマホというハードウェアのシェアを伸ばしているスマホメーカーも、ハードウェアのあり方が変化していく将来を見据えています。日本のスマホメーカーとは異なる視座ですね。EVで先行するNIO、NIOに対するサプライヤー、ここと関わっておくことで、将来的に自社EVにもメリットが得られると判断しているのでしょう。Nrealにしてもそうで、AR/VR界におけるGame Changerだと思っています。
「蔚来資本（NIO Capital）」、「雲鋒基金（YF Capital）」、「洪泰基金（Aplus Capital）」がリード・インベスターを務め、「CPE源峰（CITIC Private Equity Funds Management）」と複数の戦略投資家がコ・インベスターとなった。「金浦創投（GP Capital）」「高瓴創投（GL Ventures）」、セコイア・キャピタル・チャイナも前回シリーズに引き続いて追加出資を行っている。 Nrealは過去1年間で総額1億5000万ドル（約165億円）超を調達している。有名投資機関のほか、ショート動画プラットフォーム「快手（Kuaishou）」や中国版Netflix（ネットフリックス）と呼ばれる動画配信プラットフォーム「愛奇芸（iQiyi）」などの大企業も出資してきた。
（Source：https://36kr.jp/153472/）
Nrealのリードインベスターに入っているEVブランドはNIOのみです（NIO Capital）。YF Capitalというのは、ジャック・マーのプライベートファンドですね。もうこのメンツを見れば、もう、ね…そしてNIOもGame Changerなわけで、NIO x Nrealのインパクトは個人的にかなりぶっ飛びました。
さて、ここまで長くなってしまいましたが、NIO x Nrealが実現する世界観はきっとこういうものだろう…という動画をご覧ください。
これだけの投資が集まれば、やりたいことは全部出来ます。
ワクワクする未来がすぐそこに。NIOの日本上陸がいつになるのか待ち遠しいです。
