インフレの話をする前に、ロシアの歴史をざっくり。なぜロシアがNATOの拡大を許容しないのかを理解するには、豊島晋作さんの動画がわかりやすいと思います。
「ロシアの論理」で読み解くウクライナ危機【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年2月9日) - YouTube
国土を蹂躙された過去は、日本人には理解できないほどかもしれません。
最も死者を出したのはロシア。ここに日本軍も加わっていました。ウラジオストックに侵攻。
中国を侵略した日本が、中国の国家運営についてあれこれ語るのが「一体どういう神経をしていたらそんなことが言えるんだ」と思われるのと同様、ロシアにとっても国家を蹂躙された過去が遺伝子に刷り込まれていますから、他国がどうこう言えるものではありません。日本もロシア(ソ連)から痛い目に遭わされたとは言え、日本が侵攻したのは間違いないわけです。シベリア出兵、傀儡政権樹立の工作なども含め、歴史を振り返れば日本は他国をどうこう言える立場にありません。
また、「ロシアがウクライナに進行する」と主張するNATO(米国)が、どれだけロシア側に迫ってきたか、どれほどの戦力を対ロシアに向けてきたのかは、歴史が証明しています。
プーチンは、このNATOのやり方に「一体誰を狙っているんだ」と言っています。NATO=米国は、皆さん御存知の通り中露を敵視しているわけですから、日本とロシア、日本と中国との間の領土問題がなぜ解決しないのかは誰でも理解出来ると思います。
日本には131の米軍基地があります。世界No.1です。
第二次世界大戦後の世界を見ても、最も他国に戦争を仕掛けてきた国は米国です。その米国が主導するNATOが、プロパガンダを用いてロシアを攻撃することなど容易いこと。米国は常に濡れ衣を着せるやり方で敵を貶めてきましたから、ロシアが懸念していることは正しい懸念だと思います。
下記はNATOメンバーのマップです。ウクライナがNATOに加盟すると、ロシアが窒息しそうになるのが分かります。
NATOの"防衛”基地です。
ロシアがNATOの加盟国に侵攻することなど、多分無いです。ウクライナとの間の問題も、NATOが介在するものではないと思います。親米政権を樹立させて、NATO加盟目標を憲法化させたことが、愚策でした。米国は、NATOメンバー以外の国にいつでも侵攻します。
米国は昨年末から「ロシアがウクライナに侵攻する」と日にちを指定してプロパガンダしてきましたが、100回言えば1回は当たるかもしれません。今後もずっと続くと思います。ロシアが手を出すまで。プーチンはイライラしていると思いますが、この状態はロシアにとっては悪くないと思います。
米国との経済的繋がりも薄いですし、米ドルがなくても生きていけそうです。米国が制裁を課せば、ロシアはEUに対してガスの供給を止めるだけです。EUと米国はいずれ分断される運命なのかもしれません。米国が動けば動くほど、自滅の道を辿ると思います。
脱米ドルが加速すれば、金融マーケットも変わるでしょうね。ロシアは外貨準備高として米ドル保有量を減らし、金とユーロを増やしてきました。
米ドルに何か起きても、ロシアは生きていけると思います。インフレに備えて金保有を増やしているのも賢い。
米国はインフレに陥ってます。今後、万が一にでも米ドルが暴落するとハイパーインフレが避けられませんので、米国は相対的に他国の通貨安を引き起こすか、米ドル建て取引の需要喚起がマストです。つまり米ドル建ての経済(貿易)が必要になります。
米ドルが世界の取引上必要とされなくなった時点で、米ドルは大暴落します。プーチンが望んでいるのは、EUをNATO(米国)から経済的に引き剥がすことだと妄想しています。分断によって最も苦しむのが米国です。それをさせないために、米国は「国際社会」という小さな枠組みを利用して、経済的に力をつける国を「傘下」に置きたいのです。日本はまんまと傘下に入れられましたので、中国と日本が仲良くすることを米国は嫌います。当然ですよね。
もしかしたら私が生きているうちに、変化が起きる可能性が出てきたのかもしれません。米国のインフレがコントロール出来ないということになれば、極論ですがマーケットは大クラッシュする可能性もあります。
そんなパワーバランスの変化を、今回の米国の動きで感じています。焦っているのは米国だと見ています。この動きに合わせて、米国から香港への金融マーケットの転換、マネーシフトが一部起きると思います。その時は、少なくない株価の下落が起きますのでご用心を